三菱電機は、マイクロ波加熱を使用したプラスチックのケミカルリサイクルにおいて、分解効率を従来比約5倍に高めた技術を開発した。電波漏えいの抑圧技術を組み合わせることで、広い開口部を持つ分解装置が可能になった。
三菱電機は2025年11月12日、マイクロ波加熱を使用したプラスチックのケミカルリサイクルにおいて、分解効率を従来比で約5倍に高めた技術を開発したと発表した。電波漏えいの抑圧技術を組み合わせることで、広い開口部を持つ分解装置が可能になり、ケミカルリサイクルの低コスト化に貢献する。
同技術の開発に当たり、プラスチックの分解効率を高めるために、触媒の加熱特性を測定して従来のISM(Industrial, Scientific and Medical Band)帯よりも加熱効率が高いマイクロ波の周波数を選定。ISM帯よりも昇温速度が速くなり、加熱時間を短縮して電力を低減できる。
プラスチックと触媒の混合比を最適化することで、加熱効率を高めつつプラスチックの量を適正化した。これにより、ISM帯周波数による従来のマイクロ波加熱方式に比べて、約5倍となる分解効率を達成した。
また、複数の共振器を装置内に設置して電波の壁を作り、開口状態でも電波の漏れを抑圧する技術を確立。マイクロ波の電波漏えいを抑制し、プラスチックの連続投入が可能になった。
今後、マイクロ波の集中照射と均一加熱を可能にする同社の制御技術も活用し、さらなる効率化を図る。さらに実証研究を進め、2030年までの製品化を目指す。
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