アイシンはジャパンモビリティショー2025で、「心を動かす移動の未来」を掲げ、電動化と知能化を両輪に据えたコンセプトカーや機能統合電動ユニット(Xin1)など次世代技術を披露した。
アイシンは、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」(プレスデー:10月29〜30日、一般公開日:10月31日〜11月9日、東京ビッグサイト)で「心を動かす移動の未来」をコンセプトに出展した。同月30日に開催したプレスカンファレンスにおいてアイシン 取締役社長の吉田守孝氏は、同社が「ものづくりの会社」から「移動の価値を創造する会社」へと変革を進めていると宣言。Japan Mobility Show 2025の出展では、その変革を体現する「電動化」と「知能化」という2つの柱を示し、製品群を紹介した。
ブースのメインステージに設置したのは、「未来から来た博士の愛車」という設定のコンセプトカーだ。これは1990年代のトヨタ ハイラックスサーフをベースにしており、博士が家族の思い出と共に大事にしてきた愛車が、アイシンの「知能化技術」によって進化した姿をイメージしているという。
コンセプトカーのスライドドアが開くと、運転席のディスプレイにAIアシスタントが出現。ドライバーへの状況に応じた提案を行う未来のイメージを披露した。
アイシンが目指す「知能化」とは、トヨタグループの主要自動車部品メーカーである同社が培ってきた、エンジン、ドア/ルーフ、空力デバイス、そして位置情報サービスといったこれまでは個別に開発してきた製品群を連携させることにある。例えば、道路状況や運転技量に応じた運転サポート、生体センシングによる快適な車室空間の提供、さらにはクルマを降りた後の楽しみ方を提案するなど、人の暮らしや心に寄り添う新たな価値の実現を目指す。これら知能化の技術は、既存のノウハウを生かしながら今後開発を進めていくとしている。
「知能化」と並ぶもう1つの柱が、「電動化」への取り組みである。特に主力のパワートレインについては、「次世代に向けて、オートマチックトランスミッションやCVT(無段変速機)、プラグインハイブリッドといった従来の製品に加えて、駆動、電力変換、熱マネジメントなど9つの機能を統合する『機能統合電動ユニット(Xin1)』の開発を加速する。走行距離への貢献だけでなく、スペース効率を向上させることで、より自由度の高い車づくりを目指す」(吉田氏)と意気込みを語る。
ブース内の「A’s GARAGE」はガレージに見立てた空間となっており、作業台風のテーブルに製品群を置いて紹介。ブース中央には、パワートレインから走行安全、車体、情報電子といった多岐の分野にわたる技術を搭載した電動車仕様のデモカー(展示は小モデル、1分の1サイズは同社展示館にて公開)を展示した。
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