油圧シリンダーメーカーの堀内機械が開発した液体検知センサー「シグナリーク」は、もともと“どんな液体でも検知できる”ことが強みだった。だが高感度であるために、屋外の使用環境では雨水にも反応してしまうという課題があった。
今回発表された新モデルは、油や不凍液、水といった液体を判別し、必要な場合だけ検知信号を出すように改良されたものだ。現場の声を受け、実用性をさらに高めた進化版といえる。
このセンサーは、タンクや配管の液漏れ、工場ピット内の液面検知、水位低下時のアラートなどに幅広く対応。磁石で設置するだけの簡便さに加え、コンセントを挿すだけで動作する仕組みで、専門知識がなくても導入できる。
検知時にはメール通知も可能で、見えにくい場所での漏れも遠隔で把握できるのが特長だ。
堀内機械が油圧シリンダー製造を通して培った“液体のふるまいを読む技術”が、こうしたセンシング領域へと応用されている。創業以来の「現場の困りごとを形にする」という姿勢が、このシンプルかつ高機能なセンサーにも息づいている。
モリテックは、切削加工による金型不要のゴム製品製造技術を紹介した。同社の切削加工は従来の成形方式に比べ、初期費用を大幅に抑え、試作品なら最短1週間で納品可能だという。
金型費や製作リードタイムを削減し、少量多品種/短納期のニーズに応える。さらに、熟練技術者の手加工と最新設備を組み合わせ、第三者の品質管理課による検査を経て安定した品質を確保している。
会場では、金型を使わずに切削で仕上げる工程を紹介。手のひらサイズから1m超まで対応し、スポンジなどゴム以外の素材も加工可能だ。顧客支給材での試作にも対応しており、図面やデータがない場合でも現物からの再現製作が可能。
モリテックは“ゴム加工の駆け込み寺”として、1個からの注文にも柔軟に対応している。
また新開発のガスケット「LEAKBLOK」は、焼き付きやこびりつきを防ぎ、スクレーパーや溶剤を不要とすることで作業効率とコストを大幅に改善できる。耐熱試験や漏れ試験でも高いシール性を実証した。
スガツネ工業は、扉や機構部品の動きを「デザインする」発想で製品を開発している。同社の独自技術「モーションデザインテック」は、動きを制御するためのフリーストップ、ソフトモーション、アシストモーション、クリックモーションという4つの機構を軸に、使用環境や動作ニーズに応じた最適な開閉動作を実現する。
新製品「マルチローラーリニアガイドレール MLGX32型」は、レール内部のローラー構造をX形状にしたことで、水平/垂直/斜めとあらゆる方向に対応。従来の縦使い限定だったスライドレールに比べ、耐荷重はおよそ2倍に向上した。
また、トルクヒンジ「HG-IT型」は任意の角度で扉を保持でき、ダンパーヒンジ「HG-JHW型」はゆっくり閉まる安全設計。さらにパワーアシストヒンジ「HG-PA200型」はバネの反力を利用し、重い蓋を軽く持ち上げられる。
これらを組み合わせることで、狭小空間での扉の開閉や安全性の高い医療機器設計など、多様な現場ニーズに対応。スガツネ工業は「ヒンジを超えた動きの提案」で、機構設計の自由度を広げている。
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