日本にとって、円高がいいのか円安がいいのか日刊MONOist月曜版 編集後記

今後の日本の目指す方向性によって変わります。

» 2025年10月27日 13時15分 公開
[三島一孝MONOist]

 この記事は、2025年10月27日日発行の「日刊MONOist」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。

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 2025年10月21日に高市早苗氏が総理大臣に選出されました。さまざまな動きが出ていますが、経済政策では物価高対策にまず注力すると訴えていました。実際にどのような対策を進めていくかは今後の動きを見ていきたいと思いますが、物価高の大きな要因の1つと見られているのが「円安」です。主に輸入する製品において、日本円が安くなり、海外の通貨が高くなったことで、海外の通貨では同じ価格でも、日本円ではより多くの量が必要になるため、生活が苦しくなるという仕組みです。

 実際に米ドル(ドル)と比較した場合、2021年までは1ドル=100〜110円で推移していましたが、現在は1ドル=150円前後となっています。これは1985年のプラザ合意で1ドル=240円前後の水準が140円台となって以降では最も円安水準だといえます。リーマンショックと東日本大震災の影響があった2011〜2012年は、1ドル=80円前後になっていた時期もあったため、円の価値はその時期と比べると、対ドルで約半分になったともいえます。

 従来、日本の製造業にとっては「円安」は望ましいことだとされてきました。円安の動きが続けば、製品原価が抑えられ、日本で作ったものを海外で売った場合に高い競争力が発揮できるためです。では、現在の円安は製造業にとって望ましいものなのでしょうか。

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