リコーPFUがAmston Lake搭載の組み込みコンピュータ発売、ファンレス動作が可能エッジコンピューティング

リコーPFUコンピューティングが小型組み込みコンピュータの新製品「RICOH iC11000」を発売した。「Intel Atom x7000E/x7000RE」(開発コード:Amston Lake)を搭載しており、最大8コアによる高い処理性能を発揮する一方で、低消費電力とファンレス動作も実現した。

» 2025年09月10日 11時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 リコーPFUコンピューティングは2025年9月10日、小型組み込みコンピュータの新製品「RICOH iC11000(以下、iC11000)」を発売した。インテルの低消費電力CPUである「Atom」で最新の「Intel Atom x7000E/x7000RE」(開発コード:Amston Lake)を搭載しており、最大8コアによる高い処理性能を発揮する一方で、低消費電力とファンレス動作も実現した。主に、工作機械や産業用ロボットなどのFA機器、医療機器などに向ける。

「RICOH iC11000」の外観 「RICOH iC11000」の外観[クリックで拡大]

 iC11000は、リコーインダストリアルソリューションズが2018年に発売した小型組み込みコンピュータ「RICOH iC10000」の後継モデルとなる。2025年4月からは、同社とPFUの組み込みコンピュータ事業の統合により発足したリコーPFUコンピューティングが、リコーグループの組み込みコンピュータ製品の開発、製造、販売、保守を担っており、新製品であるiC11000の展開も進めていくことになる。

リコーPFUコンピューティングの組み込みコンピュータ製品のラインアップ リコーPFUコンピューティングの組み込みコンピュータ製品のラインアップ[クリックで拡大] 出所:リコーPFUコンピューティング

 iC11000が搭載するAmston Lakeは、最大動作周波数3.6GHzで8コア動作に対応しており、現行のFA機器や医療機器の組み込みコンピュータのCPUとして用いられている第8世代の「Core i3」や第7世代の「Core i5」を上回るマルチスレッド性能を有している。その一方で、Atomの特徴である低消費電力によりファンレス動作が可能になっている。

「RICOH iC11000」の特徴 「RICOH iC11000」の特徴[クリックで拡大] 出所:リコーPFUコンピューティング

 入出力インタフェースも豊富に用意している。USBは、標準のUSB 5Gbps×2とUSB 2.0×2に加えオプションによって最大10ポートまで拡張できる。LANは2.5GbE LAN×2を備えており、ディスプレイインタフェースはHDMIとDisplayPortの両対応となっている。シリアルポートもRS-232Cが標準で1ポートあり、オプションで最大6ポートまで増やせるためレガシーI/Oへの対応力も高い。電源は12〜24Vの単一DC電源入力に対応しているので、装置側からの直接給電が可能で省配線化に貢献できるとしている。

「RICOH iC11000」の仕様と製品前面に集約した入出力インタフェースの概要 「RICOH iC11000」の仕様と製品前面に集約した入出力インタフェースの概要[クリックで拡大] 出所:リコーPFUコンピューティング

 起動デバイスはM.2(SATA SSD)、CFast、2.5インチSSDから選択できる。PCI Express(Gen2)を1スロット備えることで、ユーザーの用途に応じた機能拡張にも対応可能だ。メモリは直接基板に実装するオンボードメモリを採用した。耐振動性能も0.25Gとなっており、工作機械などの振動を伴う環境でも安定した動作を確保できる。

 外形寸法は幅195×奥行き227×高さ74mmでiC10000と同サイズとなっている。

⇒その他の「エッジコンピューティング」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.