住友化学は、エタノールからプロピレンを直接製造する新規プロセスのパイロット設備を千葉工場袖ケ浦地区に新設し、稼働を開始した。従来のようにエチレンなどの中間体を経ず、エタノールから一工程で目的物のプロピレンを製造できる。
住友化学は2025年8月20日、エタノールからプロピレンを直接製造する新規プロセスのパイロット設備を千葉工場袖ケ浦地区に新設し、稼働を開始したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金の助成を受けて建設された設備となる。
エタノールは、トウモロコシや非可食原料のパルプなどのバイオマスから製造でき、化石資源に代わる原料として期待されている。同社が開発を進める新規プロセスは、エタノールを原料として、基幹化学品のプロピレンを製造する。
従来のようにエチレンなどの中間体を経ず、エタノールから一工程で目的物のプロピレンを製造するため、低コスト化が見込める。また、副生する水素は、バイオエタノールを原料にすれば、バイオ由来の水素を得られる。
同社は今後、工業化に向けた各種データの取得を進める。新規プロセスで製造したプロピレンを用いたポリプロピレンのマーケティングに取り組み、2030年代前半の事業化と他社への技術ライセンス供与を目指す。
また、石油化学関連事業の環境負荷低減技術による価値創造に向け、新規プロセスを含む技術ライセンス供与や触媒販売を強化。2030年以降は、原料サプライヤーや製品ブランドオーナーを含む資源循環型バリューチェーンを構築し、顧客のCO2削減貢献量を収益化する「GXソリューション事業」の確立も目指す。
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