ユーザーの「仕方がない」を解消 “小さな幸せ”を形にする究極の電源タップ新製品開発に挑むモノづくり企業たち(11)(3/3 ページ)

» 2025年07月31日 06時00分 公開
[長島清香MONOist]
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ユーザーの声を商品に反映し、さらなる拡販を

――今後の展望を教えてください。

サンワサプライ 今回出品した商品の展開としては、マグネットの追加や、一括スイッチ、過負荷保護用のブレーカースイッチの搭載など、比較的実現しやすい改良から進める予定です。要望の多かったシャッター付き仕様は、ほこりによるトラッキング火災を防止するニーズに応える重要な課題ですが、構造上の難しさもあるため、時間をかけて取り組んでいきたいと考えています。

 さらに、このタップの構造を単体利用にとどめず、他の製品に応用するなど、複合的な使い方ができる商品も検討しています。

 Makuakeを通じて得られた応援コメントや具体的な要望は、通常の販売ルートでは得にくい貴重なフィードバックであり、今後の開発の大きなヒントになりました。分配器や切り替え器など、他の周辺機器についてもMakuakeでの展開を検討する価値があると感じています。

 また、今回Makuakeで得た販売実績は、ユーザーに支持されたことを示す大きなエビデンスとなるため、商談の場でも説得力を持たせることができます。今後もオンライン/オフラインを問わず、Makuakeのアドバンテージを有効に活用し、さらなる拡販に努めていきたいです。

電源タップでよくある不都合…… ワットチェッカーや個別のオン/オフスイッチが備わった電源タップの例(700-TAP071) サンワサプライ直営のECサイト「サンワダイレクト」 独自の「車輪差し」構造を採用し、「口が余っているのに使えない!」というストレスからユーザーを解放する電源タップ アダプター同士が干渉せず、コードの向きをそろえて使えるため、取り回しもすっきり 独自の「車輪差し」構造を安全かつコンパクトに実現するために3年もの歳月を要した リターン1 リターン2

⇒連載「新製品開発に挑むモノづくり企業たち」のバックナンバーはこちら

筆者紹介

長島清香(ながしま さやか)

編集者として地域情報誌やIT系Webメディアを手掛けたのち、シンガポールにてビジネス系情報誌の編集者として経験を重ねる。現在はフリーライターとして、モノづくり系情報サイトをはじめ、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。


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