MONOist 国内における使用済み家電の解体/プラスチック回収の流れやGCSの位置付けはどうなっていますか。
筒井氏 一般的な使用済み家電の解体/プラスチック回収の流れは以下の通りだ。まず一般消費者が購入した家電は、販売店に引き取りを依頼するか、指定取引場所へ持ち込むか、郵便局で家電リサイクル券を購入し自治体に回収してもらう。
こういった家電は全国326カ所(2024年6月時点)にある集荷拠点に運ばれた後、全国45カ所にある家電リサイクル工場が引き取る。HCSなどの家電リサイクル工場ではまず回収した使用済み家電を手作業で解体(手解体)する。手解体により素材別にプラスチックが回収される他、モーターや基板、圧縮機などの金属類も抜き取られる。手解体で選別できない部分は機械選別される。機械選別では、破砕(分離)や素材別選別を行うことで、鉄やアルミ、銅、混合プラスチックが回収される。
家電リサイクル工場が回収した使用済み家電由来のプラスチックをプラスチック再生会社であるGCSが購入し再資源化する。
筒井氏 プラスチック循環利用協会の調査レポート「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 2022年版」によれば、国内における1年間のプラスチック排出量は823万トン(t)で、そのうち424万tは一般廃棄物、399万tは産業廃棄物となる。
823万tのうち素材として再利用されるものは180万tで、内訳は一般廃棄物が71万t、産業廃棄物が109万tとなる。180万tのうち、142万tは製品として市場で使われた後に回収されたポスト材で、38万tは主に工場などで発生する端材、不良品、在庫廃棄品などのプレ材となる。ポスト材の内訳は、容器包装/コンテナ類が107万tで、家電/筐体が18万t、自動車部品などのその他が17万tとなる。当社の推定値によれば、家電/筐体の18万tのうち1.5万tをGCSが再資源化している。
筒井氏 なお、国内の家電メーカーは使用済み家電の指定引き取り場所や再商品化するリサイクルプラントの運営を義務付けられており、これらの回収/リサイクル体制はAとBの2グループ制となっている。当社はBグループに所属する三菱電機資本のプラスチック再資源化工場という位置付けである。GCSではBグループを中心に11社の家電リサイクル工場から混合プラスチックを調達している。
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