レゾナックが減収もコア営業利益は増益 AI半導体向け後工程材が好調製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

レゾナック・ホールディングスは、2025年度第1四半期(1〜3月)の売上高が前年同期比0.3%減の3211億円で、営業利益は同51%減の139億8200万円となった。営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除外したコア営業利益は同55%増の148億円を記録した。

» 2025年05月22日 06時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 レゾナック・ホールディングスは2025年5月15日、オンラインで記者会見を開き、2025年度(2026年12月期)第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。

絶縁フィルムや放熱シート、銅張積層板が伸長

 同期の売上高は前年同期比0.3%減の3211億円で、営業利益は同51%減の139億8200万円となった。営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除外したコア営業利益は同55%増の148億円を記録した。レゾナック・ホールディングス 取締役 常務執行役員 CFOの染宮秀樹氏は「「前年同期は旧本社土地建物の固定資産売却益を営業利益に計上したが、その影響を除いたコア営業利益では大幅な増益となった」と話す。

 同期の世界経済は、今後の米国の関税措置による影響が懸念される中、全体としては持ち直しの動きを見せた。半導体業界については比較的顕著な回復が見られた。国内経済は、個人消費や企業の設備投資に持ち直しの動きが見られ、全体として緩やかに回復した。

連結業績の概要(前期比) 連結業績の概要(前期比)[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 セグメント別では、半導体/電子材料セグメントの売上高は前年同期比14%増の1112億円で、コア営業利益は同135%増の196億円となった。同セグメントでは、半導体前工程材料事業は、NAND需要の回復ペースが緩やかなことから売上高は横ばいに。半導体後工程材料事業は、主にAI(人工知能)関連で引き合いの強い先端半導体向け材料の販売数量増加により増収となった。デバイスソリューション事業は、HDメディアがデータセンター向け需要の回復により増収、シリコンカーバイド(SiC)エピタキシャルウエハーも販売数量の増加で増収した。

 染宮氏は「AI向け半導体材料では、特に絶縁フィルムや放熱シート、銅張積層板が伸長した。欧米や中国、韓国、台湾など、さまざまなエリアで半導体後工程材料事業の売上高が伸びた」と語った。

半導体/電子材料セグメントのサマリー 半導体/電子材料セグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 モビリティセグメントの売上高は前年同期比8%減の469億円で、コア営業利益は同27%減の112億円となった。このセグメントでは、当期における二次電池外装材/食品包装材などの事業譲渡の影響や、タイにおける自動車市場低迷の影響を受け、前年同期比で減収減益に。

モビリティセグメントのサマリー 半導体/電子材料セグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス
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