「JIS B 0621:1984」によると、“データム直線またはデータム平面に対して直角な幾何学的平面からの直角であるべき直線形体または平面形体の狂いの大きさ”と定義されています。
もう少し分かりやすく表現すると、「データムに対してどれくらい正確な直角であるかを許容する値」です。単位は[mm]であり、角度と混同しないよう注意が必要です。
図5の通り、直角度の適用も複数のパターンがあります。
この分類の中でも、筆者が最も使用してきた「平面形体のデータム平面に対する直角度」について説明します。
言葉だけではイメージしにくいかもしれませんが、次の図(図6)を見れば「このことか!」と理解できるでしょう。青色の平面形体は、緑色のデータム平面に対して直交する幾何学的平行2平面の距離0.1[mm]の領域に収まっている必要があります。
この状態をJIS規定として示すと、図7になります。
先ほどと同様に、初心者にも分かりやすい例を示します。
直角度の測定方法ですが、正確に測定するなら3次元測定器を使用します。他にはスコヤ(直角定規:Square)と、隙間ゲージ(Feeler Gauge)を使用して測定します。スコヤですが、その規格が「JIS B 7526:1995 直角定規 Squares」に定められています。また、隙間ゲージも「JIS B 7524:2008 すきまゲージ Feeler gauges」で規定されています。
定盤上にワークを設置し、スコヤを当て、隙間ゲージを差し込むことで直角度を確認します。数種類の隙間ゲージのうち、最も“しっくり”と入るものが直角度を示していることになります。
ここまで基本的なJIS製図について説明しました。3D設計においても、この知識は必須です。今回説明し切れなかった幾何公差についても、ぜひ学習を進めてください。次回は、公差設計について解説します。どうぞお楽しみに! (次回へ続く)
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