やってみていかがでしたでしょうか。今回の作成例を下記に示します。
株式会社ワールドワインショップでは、商店街のある小さなワインショップを経営している。店では良質なワインを取りそろえているが、売上をさらに拡大するため、ECサイトを新たに立ち上げることになった。
高品質なワインを店頭に来店することなく購入できるようにするため。
機能構成図を下記に示す(図3)。
画面表示のみに限定する。非機能要求は対象外とする。
今回は、話題をワインのECサイトに戻し、今までの知識を活用して要求仕様書を作成しました。自分のものと作成例を見比べてみてどのように感じましたか。
作成してみて、たった1ページの要望から、画面構成、ハードウェア構成、異常系など考えること、まだまだ要求仕様書はブラッシュアップできるように感じます。ちなみに、読者の皆さんの中には、筆者と異なり、ヒアリングシートに曖昧な箇所がたくさんあるように感じたかと思います。今回は補完をして進めていただきましたが、実際の開発では、これらを会議/メールなどで質問しながら進めることになると思います。これも、合わせてイメージできるとよいでしょう。
本連載で取り上げた「ソフトウェア技術者のためのバグ百科事典」を大幅に加筆、修正した山浦恒央先生の書籍「ソフトウェア技術者のためのバグ検出テキスト」が日科技連出版から好評発売中です。連載でも取り上げた、「要求仕様書のバグ」「実装抜けのバグ」「テスト業務のバグ」など、バグを36種類に分類して解説しています。囲碁や将棋であれば、「相掛かり」「矢倉」「四間飛車」「藤井システム」のような戦法を網羅した内容になっています。
前著「ソフトウェア技術者のためのバグ検出ドリル」(2019年11月刊行)も好評発売中です。実際にバグを含む要求仕様書、設計書、コーディング、デバッグ、保守を具体的に取り上げ、練習問題として31問を出題しました。同書は、囲碁や将棋における「次の一手」的な問題であり、ピンポイントの場面を取り上げ、実践力を鍛えることを目的としています。
両書とも興味のある方は、Amazon.comや書店でチェックしてください!
人間環境大学 環境情報学科 教授(工学博士)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.