ピコピコたたいて相手の頭を吹っ飛ばす「ハンマーバトルゲーム」の仕組み100円均一でモノの仕組みを考える(9)(2/3 ページ)

» 2025年03月17日 06時00分 公開

ハンマーバトルゲームの内部の部品構成

 分解してみると、内部は図3のような部品で構成されていることが分かります。外観からは見えなかった部品として、次の3点が挙げられます。

内部の部品構成 図3 内部の部品構成[クリックで拡大]

ジョイント

 スプリング(大)を圧縮した状態のまま、キャラクターの頭部と胴体をつなげる(セットする)ための部品です。

リンクバー

 プレイヤーによるボタンの押し込み動作を、ハンマーの振り下ろし動作に変換するための部品です。

スプリング(小)

 押し込まれたボタンの位置を元に戻す役割を果たします。

 以上、相手のキャラクターをハンマーでたたくというシンプルな玩具ですが、意外と多くの部品で成り立っていることが分かります。

ハンマーバトルゲームの動き

 ハンマーバトルゲームの動きですが、おおまかに次の2点に集約されます。

  1. プレイヤーがボタンを押すと、キャラクターがハンマーを振り下ろす
  2. 相手のキャラクターにハンマーが当たると、キャラクターの頭部が跳ね上がる

 以降、「ハンマーを振り下ろす仕組み」「キャラクターの頭部が跳ね上がる仕組み」として、詳しくそれぞれのメカニズムを解説していきます。

1.ハンマーを振り下ろす仕組み

 キャラクターがハンマーを振り下ろす仕組みは、リンクバーを利用した単純な物理的動作で成り立っています。以下のようなプロセス(a~d)で動作します(図4)。

ハンマーを振り下ろす仕組み 図4 ハンマーを振り下ろす仕組み[クリックで拡大]

a)ボタンが押し込まれる
 プレイヤーがボタンを押し込むと、ボタンに接続されているリンクバーが下方向に押し下げられます。

b)リンクバーがハンマーを作動させる
 リンクバーの動きによって、回転軸を持つハンマーが動き出します。リンクバーの押し下げ動作が“てこの原理”によってハンマーを回転させ、振り下ろす力に変換されます。

c)ハンマーが相手のキャラクターに衝撃を与える
 ハンマーが一定の軌道を描いて振り下ろされ、相手のキャラクターの頭部に当たります。衝撃を受けたキャラクターの頭部がスプリング(大)の力によって跳ね上がります。

d)ボタンを離すと元に戻る
 ボタンから指を離すと、ボタンの下に仕込まれているスプリング(小)の力によって、リンクバーとハンマー、ボタンが元の位置に戻ります。これにより、次の攻撃の準備が整います。

 この一連の動作により、プレイヤーがボタンを押すたびにハンマーが振り下ろされ、相手のキャラクターを攻撃することができます。

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