Ansysは、ターボ機械アプリケーション向けの設計ツールとロバストな解析ツールを接続する自動化ワークフローを提供するために、Concepts NRECと提携した。「Ansys CFX」を「AxCent」に統合し、“ワンクリック”アプローチを実現する。
Ansysは2025年2月11日(現地時間)、ターボ機械アプリケーション向けの設計ツールとロバストな解析ツールを接続する自動化ワークフローを提供するために、Concepts NRECと提携したことを発表した。
ターボ機械アプリケーション向けCFD(数値流体力学)ソフトウェア「Ansys CFX」を、Concepts NRECの3Dターボ機械コンポーネント設計向けソフトウェア「AxCent」に統合する。これにより、設計者は予測精度を向上させながら機械性能を迅速に評価できるようになり、コンプレッサー、タービン、ポンプ、ファン、ターボチャージャーなどのアプリケーションの設計サイクルを短縮し、性能向上を図れる。
これまでターボ機械のエンジニアは、ブレード設計の予備準備と詳細な3D解析を別々のソフトウェアプログラムで実施していたため、両ソフトウェア間でのデータの転送を手動で行っていた。このような煩雑な作業は多大な時間を要し、開発期間の遅延にもつながることから、追加の計算リソースを投入するなどコスト増の一因にもなっていた。
今回の統合により、Concepts NRECの設計ツールを使用しているAnsysの顧客は、同じインタフェース内でAnsys CFXから機械性能の結果を簡単に得られるようになる。パラメーターは全ての翼列に対して自動的に作成され、物理場の設定は中断のないワークフローで定義できる。
この“ワンクリック”アプローチによるCFDシミュレーションの実現で、エンジニアは製造前にAnsysのソルバーを使用し、ターボ機械の設計を迅速に検証できる。Ansys CFXは設計の最適化に理想的なロバストな解析を可能にし、製品の安全性や環境への影響に関するハイレベルな基準を満たしつつ、機械設計の高効率化を支援する。
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