八千代ソリューションズは、製造業の後工程従事者を対象にした「製造業DXに関する市場調査」の結果を発表した。保全業務における人材不足が深刻化していることなどが明らかになった。
八千代ソリューションズは2025年1月21日、製造業の保全や生産技術、組み立て、加工などの後工程従事者を対象にした「製造業DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する市場調査」の結果を発表した。調査は2024年11月28日〜12月2日に、500人を対象に実施した。
同調査によると、回答者の6割以上が、いわゆる「2025年の崖」問題に関する認知がないことが分かった。また、DXの取り組み状況に関しては、中間管理層と経営層、現場層との間に取り組み姿勢の意識に差があることが分かった。中間管理層では44.0%がDXに取り組んでいると回答したが、経営層の同回答は24.3%、現場層では16.0%となった。
設備保全に関する技術伝承については、「5年以上必要」と考える回答者が4割以上となった。八千代ソリューションズは「設備保全分野における技術の伝承が短期間で完了するケースは少なく、長期にわたる継続的な取り組みを必要とすることが分かった」(ニュースリリースより)としている。
保全を担当する従業員の約2割が60歳であり、熟練者不足が深刻であることも明らかになった。前項の設問の回答と併せて考えると、技術伝承に必要な期間である5年以内に定年退職を迎える熟練者が、約2割存在している可能性がある。八千代ソリューションズは「技術伝承に5年以上の期間が必要であることを考慮すると、引き継ぎが完了する前に熟練者がいなくなる危機的状況に直面する可能性が高い」(同)と指摘している。
今回の調査結果全体を通じて、同社は以下のように考察している。
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