産総研の柏センターに設置されるABCI 3.0は、ノードやストレージなどを収容したラックの上にファンコイルユニットを重ねた構造になっており、全体の高さは6m近くに達する。外部の冷却塔で冷やされた32℃以下の水を、ファンコイルユニットの他、HPE Cray XD670を収容したラックのリアドアに供給している。データセンターの電力使用効率を表すPUE(Power Usage Effectiveness)は、一般には1.7程度が平均とされているが、ABCIでは1.1を実現しているという。
ABCI 1.0世代から採用してきた特徴的な冷却システム(図内右)。ラックの上に水冷式のファンコイルユニットを重ねて、ホットアイルの熱を冷却する構造を開発した。エネルギー効率を表すPUCは1.1以下と優秀である[クリックで拡大] 出所:産総研グループ
データセンターに収められているファンコイルユニット。緑色のフレームの下側左右にラックが並べられていて、その間の排熱を上部のファイコイルユニットで冷却する仕組みだ。コンテナ状の緑色のフレームは全部で4つあり、6m高さの天井に迫る威容を見せている[クリックで拡大] 撮影:関行宏産総研では、ABCI 3.0の強力な計算リソースをAI研究に取り組む国内の産官学に提供するとともに、生成AIモデルの構築や推論の最適化などをチームで行う「ABCI生成AIハッカソン」や、経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が行っている生成AI開発支援プログラム「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」などを推進していく計画である。また、AI人材の育成にも取り組んでいく考えだ。
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