パナソニックグループはCES 2025ブースでも環境対策への取り組みを積極的にアピールした。パナソニックグループでは資源循環については「Maximizing(長寿命化)」「Minimizing(材料使用の低減)」「Partnering(パートナーとの協力)」の3つのポイントを挙げているが、その中でMaximizingとして特徴的な取り組みの1つが、資源循環に向けたデザイン(Design for CE)だ。
これは、設計段階で分解容易性や組み立て容易性を簡単に評価し、修理やメンテナンス性能を高めることでより長く製品を使えるようにするという取り組みだ。具体的には、容易に分解手順を自動で生成する「分解手順生成技術」、それを実際に人の作業やロボットの作業に割り振って評価する「分解動作生成技術」、実証を通じてCPS(サイバーフィジカルシステム)でシミュレーションを行う「分解動作実証」などの開発や検証を行っている。
今回はこれらの技術を活用して開発した筐体を紹介した。意識せずに設計すれば、ビスを多く採用したりケーブルの配線が煩雑だったりすることもあるが、これらの技術を活用することで、修理の容易性についての一種の基準となり、設計段階でこれらの点を考慮できる。「技術としても、これらの技術を活用して開発した製品を評価するというサイクルを繰り返すことで、使えるものにブラッシュアップできる」(ブース担当者)としている。
その他、資源循環では、植物由来の高濃度セルロースファイバー(CeF)成形材料「kinari」の用途拡大を推進している。従来は食器などでの用途が多かったが、新たにランプシェードなどの用途にも広げていく計画だ。
また、ユニークなところでは、植物の成長刺激剤「Novitek(ノビテク)」なども訴求。シアノバクテリアを利用し、光合成代謝を活性化する成長刺激剤で、野菜や果物の葉っぱに吹き掛けると、収穫量が最大50%近くも増えるという。CO2を利用し農産物の成長を促すという点で脱炭素への貢献が期待されている。
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