サトーHD、廃棄物の再生資源化プロセスを可視化する追跡システム構築脱炭素

サトーホールディングスとナカダイホールディングスは、廃棄物の再生資源過程のデジタルデータを蓄積できるシステムを構築した。一連の工程を可視化して管理できるため、より信頼性の高い再生材の取得が期待できる。

» 2024年12月17日 10時30分 公開
[MONOist]

 サトーホールディングスとナカダイホールディングスは2024年11月27日、廃棄物の再生資源化の過程をデジタル化し、データとして蓄積できる追跡システムを構築したと発表した。同年8月には、ナカダイホールディングスのリサイクル工場にて実証実験を実施し、同システムの有効性の確認と資源の再生に必要なデータの取得に成功した。

 データは、IDを付与したラベルを貼り付けたコンテナの設置、回収、入荷、移動、リサイクル処理作業および処理結果、出荷といったプロセスごとに取得する。

キャプション 廃棄物回収から再資源化までのデータ取得フロー 出所:サトーホールディングス

 IDには、内容物、重量、保管場所、工程チェックといった情報がひも付けされているため、実態に近い現場のデータをコンテナごとに取得できる。また、重量ベースで入荷や処理実績、出荷実績が管理できるほか、日別や工程別の処理量、入荷日別やエリア別での廃棄物の在庫などを把握できる。

 今回の実証実験に先立ち、両社は2023年にもAI(人工知能)を用いた廃棄物回収のスマート化に関する実証実験を実施している。廃棄物処理をナカダイホールディングスに委託する企業の廃棄物置き場にカメラを設置し、画像分析AIで集積状況を可視化した。

 構築した追跡システムにより、廃棄物回収後の情報が全てデジタル化され、出荷や品質の安定化、信頼性の高い再生材の取得が期待できる。また、リサイクル業者の工程上のルールや処理プロセスにおける課題も明確にできるため、両社は同システムを、廃棄物処理業者がリサイクル業者に移行する際の移行促進ツールとして活用する。

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