2010年代に入ってから、東武は地域に密着した取り組みが目立つ。
近年は産官学連携により、売れ残った野菜を集め、東上線の森林公園から池袋まで運搬し、改札付近で販売する「TABETEレスキュー直売所」を開始。好評を博している。
まちづくり事業として、日光線南栗橋駅付近の「BRIDGE LIFE Platform構想」や、伊勢崎線獨協大学前(草加松原)駅西側地域の再開発に取り組み、地域価値の向上、より住みやすい沿線を目指している。前者は2024年3月16日(土曜日)のダイヤ改正で特急の一部列車が停車。後者は2020年6月6日(土曜日)のダイヤ改正で、複々線区間(北千住−北越谷間)の各駅停車が全列車7両編成に統一され、併せてホームドアの設置を進めている。
2023年には栃木県誕生150周年を記念した20400型ベリーハッピートレインの運行、宇都宮線の路線愛称、「いちご王国」ラインも栃木県と共同で取り組んだ。
大ベテランの域に入った100系スペーシアも1編成の塗装を変えて「いちごスペーシア」と銘打ち、2023年12月24日(日曜日)から約3年間の運行を開始している。2/5号車の15番席と6号車のシートモケットをいちご柄に変え、“特別席”の雰囲気を醸し出す他、栃木県全体を盛り上げる役割を担う。
宇都宮線の取材の際、地域密着という点について、東武広報はこう述べた。
「我々としては地域あっての鉄道なので、今後もしっかりとやっていきたい」
岸田 法眼(きしだ ほうがん)
『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜てきされ、2007年にライターデビュー。以降はフリーのレイルウェイ・ライターとして鉄道の最前線に立つ他、好角家の一面も持つ。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)、『大阪の地下鉄大研究』(天夢人刊)がある。また、『岸田法眼の旅、鉄道、プロ野球、大相撲などを幅広く語る』(フーミー刊)では、有料マガジンを毎月5回程度配信している。
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