本連載では、AM(Additive Manufacturing)における品質保証と、その方法を標準化した国際規格ISO/ASTM 52920について解説する。今回は、最終回としてこれまでの内容を要点とともに振り返る。
品質保証は製造業において重要な要素です。近年、Additive Manufacturing(AM、3Dプリンティング技術)の普及が進み、量産への活用が始まったことにより、AMにおいても品質保証の重要性が高まっています。
AMは従来の製造プロセスとは異なる方法で製品を生産します。その結果、品質保証のアプローチも従来製法と異なり、新たな課題に直面しています。本連載では、AMにおける品質保証と、その方法を標準化した国際規格 ISO/ASTM 52920について解説していきます。
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前回までの連載で、7回にわたって下記について見てきました。
連載トピック
最終回の今回は、ここまでの話の流れを概観してみたいと思います。もし、そんな話があったっけ? というようなところがあれば、各回に戻って理解を深めていただければうれしいです。
※執筆にあたり参照しているISO/ASTM 52920は、執筆時点での現行版であるISO/ASTM 52920:2023です。
品質:お客さまの期待に対する実現度、満足度
保証:前もって間違いない、大丈夫だと認め、請け合うこと、責任を持つこと
品質保証:お客さまの要求した期待の満足が実現するということを、お客さまがその製品を買ったり使ったりする前に、大丈夫だと請け合い責任を持つこと
→ただ「大丈夫だ」と言えばよいわけではありません。科学的、論理的、統計的な根拠が必要です。
さまざまに存在する品質変動要因をどのように根拠と結び付け、論理立てれば品質保証に対する信頼が得られるでしょうか。
どんな論理で、どんな根拠で品質保証をするのかという品質保証の仕組みのことを品質保証システムといいます。
また、顧客は品質保証システム以前に、企業の経営の仕組みが品質や顧客満足を大事にしているかも見ています。
詳しくは連載第1回「品質保証とは何か、その定義を改めて考える」をご覧ください。
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