Bricsys Japanは、CADプラットフォームの最新バージョン「BricsCAD V25」のリリースにあわせて、パートナーカンファレンスを駐日ベルギー大使館で開催。Bricsysのミッションや日本市場での展開強化に向けた意気込みなどを語った。
HexagonグループでCADソフトウェアの開発を手掛けるBricsysの日本拠点であるBricsys Japanは2024年10月23日、CADプラットフォームの最新バージョン「BricsCAD V25」のリリースにあわせて、パートナーカンファレンスを駐日ベルギー大使館で開催した。
Bricsysは2002年創業のベルギー発の企業で、20年以上にわたってCADツールの開発を手掛けている。同社主力の「BricsCAD」は、DWG互換CADとしての優れた信頼性や費用対効果の高さを武器に、2D/3D設計、点群、BIM、3D建築/機械設計などをサポートする製品ポートフォリオを展開。CAD業界全体がサブスクリプションモデルに移行する中、永久ライセンス(シングル/ネットワーク)とサブスクリプションの双方を展開し、ユーザー要求に応じた柔軟なライセンスプログラムを提供している。
カンファレンスの冒頭に登壇した、Bricsys CEO(最高経営責任者)のDavid Dejaegher(デイビッド・デヤガー)氏は「われわれはオープンで、スマートで、導入が容易な、費用対効果の高いプロフェッショナルなプラットフォームを提供することで、お客さまのプロジェクトの迅速な遂行を支援していく。これこそがBricsysのミッションだ」と述べる。
BricsCADの製品ポートフォリオは、2D設計、LISPアドオン/カスタマイズ、点群(表示のみ)に対応する「BricsCAD Lite」、3D設計と高度な2D設計、土木ツール、点群(地形データ生成)をサポートする「BricsCAD Pro」を主軸に、機械設計向けの「BricsCAD Mechanical」、建築/設備/土木向けの「BricsCAD BIM」、これらを全て統合した「BricsCAD Ultimate」を取りそろえる。そして、これらは統一されたユーザーインタフェースの下、2D設計、3D設計、BIMなどをシームレスに連携可能で、モノづくりの生産性向上に寄与する“ワンプラットフォーム”として機能する。また、近年では、設計者の操作をアシストするようなAI(人工知能)機能の開発にも注力しており、さらなる業務効率化や生産性向上も期待できるという。
Bricsysは、信頼性の高いDWG互換CADを提供するということだけに満足せず、より優れた環境、スマートなツールを提供していくという考えの下、研究開発への積極的な投資を長年継続している。「今回リリースしたBricsCAD V25においても、ユーザーの声を反映した機能追加や改善が施されている」と、Bricsys ワールドワイドセールス&マーケティング担当副社長のPatrick Williams(パトリック・ウィリアムズ)氏は説明する。
BricsCAD V25では、ワークフローの自動化と迅速化に役立つ60以上ものスマート機能が搭載されているという。例えば、BricsCAD Pro/Liteで共通するものとして、2D製図の高速化、3Dワークフローの最適化、DWGの相互運用性の強化に関する新機能などが追加されている。さらに、BricsCAD Mechanicalにフォーカスすると、最新バージョンでは、2D機械設計と製図の迅速化、製造ワークフローの最適化、2Dドキュメンテーションのために3Dモデルを活用する機能などが強化されている。その他、開発中のAIを活用した新機能のプレビュー版の利用も可能となっている。
Bricsysは2018年にHexagonに買収され、同グループの一員となり、2022年に日本でBricsys Japanを発足。現在、日本での本格展開を開始している。Bricsys Japan カントリーマネージャーの麦田興次氏は「現在のCAD市場の動向を見てみると、広範なポートフォリオを柔軟かつ低コストで導入/運用できるBricsCADの強みを発揮できる余地がまだ十分に残っている。展示会に出展した際には、来場者や実際のユーザーからBricsCADへの期待も多く寄せられた。日本でのサポート、販売体制もこれまで以上に強化していく方針なので、こうした声にしっかりと応えていきたい」と述べ、日本市場でのさらなる拡販に向けて意気込む。
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