図研アルファテックは「BricsCAD V22 オンラインカンファレンス」において、「BricsCAD V22 新機能発表会」を開催。同社が国内代表代理店として取り扱うDWG互換CAD「BricsCAD」の最新バージョン「V22」の進化の方向性や強化ポイント、注目機能などについて説明した。
図研アルファテックは2021年11月25日、「BricsCAD V22 オンラインカンファレンス」(会期:同年11月22日〜12月3日)において、「BricsCAD V22 新機能発表会」を開催。同社が国内代表代理店として取り扱うDWG互換CAD「BricsCAD」(開発元:Bricsys)の最新バージョン「BricsCAD V22」(以下、V22)の進化の方向性や強化ポイント、注目機能などについて説明した。
※記事訂正:主催者の申し出により初出時に掲載していた画像(1枚)を削除いたしました[2021年12月1日]
BricsCADは、2次元設計(2D)から3次元設計(3D)、そしてBIM(Building Information Modeling)までを一気通貫で使用できる“ワンプラットフォーム”を特長とする、いわゆるDWG互換CADである。統一されたユーザーインタフェース(UI)の下、2D CAD/3D CAD/BIMの各機能をシームレスに連携、利用でき、1つのDWGファイルで2D、3D、BIMの設計データを共存させることが可能だ。さらに、API(Application Programming Interface)を活用したカスタマイズにも対応する。
製品ラインアップとしては、2D設計メインの「Lite」、3D設計やAPI拡張などを提供する「Pro」、さらにProに板金やBOM機能などを付加した「Mechanical」、ProにBIM機能を組み込んだ「BIM」、そしてこれら全ての機能が使える「Ultimate」の5つを用意している。
BricsCADの開発はHexagonグループであるベルギーのBricsysが手掛けており、図研アルファテックは国内代表代理店として国内の製造業、建築/土木業界などに向けてBricsCADの展開(販売、サポート、ローカライズなど)を推進している。現在、BricsCADの国内導入実績は累計1万社以上に上り、全世界19万以上のユーザー数を抱えるという。
最新バージョンアップであるV22の進化の方向性や強化ポイントについて、開発元であるBricsysは、大きく5つの領域に対して改善を行ったとしている。
1つ目はコア部分の強化である。堅牢性と安定性を向上させて、設計環境としての信頼性をより高めたという。互換性のさらなる品質向上の他、グラフィックス性能やエンティティ選択速度、大規模モデルの処理速度などを向上させた。さらに、APIのパフォーマンスや安定性の向上を図り、カスタマイズ環境としての強化にも取り組んだ。
2つ目はスピードと効率化を目的としたパフォーマンスの向上だ。具体的には、マルチスレッド対応によるファイル読み込みを実装し、図面の読み込みや描画速度を高速化したり、コマンドの統一やUIの改善を図るなどして、より一貫性のある効率的な操作を実現したりしている。
そして、3つ目は互換性のさらなる向上だ。BricsCADをより導入しやすくするために、構造とDWGの扱いの両面でデータ互換性をさらに向上させたという。
4つ目はAI(人工知能)などを活用したデータの最適化に関する機能強化で、例えば、機械学習による2D/3D CADデータの最適化に重点を置いた強化がなされ、ポリラインの自動最適化機能など、2D図面作成やデータ簡略化に関する機能強化、拡張を行っている。
最後、5つ目はオープン性の向上によるパートナーエコシステム、カスタマイズアプリケーション開発エンジンとしての強化だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.