Bricsysのこれからの方向性と「BricsCAD V24」の強化ポイント図研アルファテックカンファレンス2023(1/2 ページ)

「図研アルファテックカンファレンス2023」の講演の中から「BricsCAD V24」の新機能に関連する内容をお届けする。

» 2023年11月28日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

 図研アルファテックは2023年11月15日、「図研アルファテックカンファレンス2023」を開催し、Bricsysが開発するCADソフトウェア「BricsCAD」の最新バージョンである「BricsCAD V24」の新機能などを紹介した。本稿では、BricsCAD V24に関連する講演のダイジェストをお届けする。

これからのBricsysの方向性

 「これからのBricsysの方向性」と題したBricsys Japan カントリーマネージャーの麦田興次氏と同社 ソリューションコンサルタントの杉原弘基氏の講演では、Bricsysの目指す方向性やBricsCAD V24の注目ポイントなどが示された。

 冒頭、麦田氏は「今回リリースしたBricsCAD V24は、過去に類を見ない“真のプロフェッショナルCAD”となっている」と述べ、過去のリリースと比較して多くの改善や新機能追加が図られている点を強調する。

 BricsCADは、Hexagonグループ傘下でベルギーに本社を構えるBricsysが開発する2D/3D CADソフトウェアで、現在世界110カ国、約40万以上のユーザーが利用しているという。Bricsysは柔軟なライセンス形態と業種別グレードに基づく製品ポートフォリオを展開しており、BricsCADの他、クラウドコラボレーション基盤「Bricsys 24/7」などを提供している。

 BricsCADの製品ラインアップには、ビュワー/構想設計向けの「BricsCAD Shape」、2D設計機能を提供する「BricsCAD Lite」、2D/3D設計機能を提供する「BricsCAD Pro」、Pro環境に3D機械設計と板金設計の機能が加わった「BricsCAD Mechanical」、Pro環境にIFC(Industry Foundation Classes)対応のBIM機能を提供する「BricsCAD BIM」、フル機能が使える最上位の「BricsCAD Ultimate」がある。

BricsCADの製品ポートフォリオ BricsCADの製品ポートフォリオ[クリックで拡大] 出所:Bricsys

 Bricsysは、2023年度のスローガンに「Year of FOCUS」を掲げ、選択と集中を強化してビジネス拡大に注力する戦略をとってきたが、来年度(2024年度)は「Year of EXECUTION」のスローガンの下、これまで進めてきた選択と集中の強化を維持しながら、より実行力をもってビジネスを加速させていく方針を掲げ、BricsCADのさらなる普及を狙う。BricsCADの強みについて、麦田氏は「単なるDWG互換CADという位置付けではなく、(競合他社製品と)十分に戦えるだけの成熟度と高機能を兼ね備えた2D/3D CADソフトウェアだと自負している」と述べる。

 さらに、BricsCADは永久ライセンスの「シングルライセンス」と「ネットワークライセンス」、期間ライセンスの「サブスクリプションライセンス」による柔軟な利用形態を選択できる強みを持ち、導入企業のコストの適正化にも貢献できるとする。また、現在2D CAD中心の現場が将来的に3D CAD環境へ移行する際にも、2D/3Dを同一プラットフォームで実現するBricsCADであれば、新たに使い方を覚えることなく、スムーズに3D設計に移行できるという。

柔軟なライセンス形態から選択できる 柔軟なライセンス形態から選択できる[クリックで拡大] 出所:Bricsys

 BricsCADの販売戦略に関しても「競合他社がダイレクトビジネスにシフトする中、Bricsysではグローバルに広がるパートナー企業と協力しながら市場にマッチしたソリューションを提供していく」(麦田氏)との考えを示す。

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