IVIは「IVI公開シンポジウム2024-Autumn-」を開催。本稿では、IVI 理事長の西岡靖之氏が、IVIオピニオンとして講演した「新IVIグローバル標準の青写真」の内容を紹介する。
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加するIndustrial Value Chain Initiative(IVI)は2024年10月10日、「IVI公開シンポジウム2024-Autumn-」を開催した。本稿では、IVI 理事長の西岡靖之氏が、IVIオピニオンとして講演した「新IVIグローバル標準の青写真」の内容を紹介する。
IVIは、ITとの融合によりモノづくりの課題を現場起点で解決することを目指し、2015年6月に設立された団体だ。日本機械学会 生産システム部門の「つながる工場」分科会を母体とし、“緩やかな標準”などを切り口に、日本のモノづくりの良さを生かしたデジタル化に取り組んできた。
2011年にドイツでインダストリー4.0が提唱され、モノづくりの新たな枠組み作りが進む中、2016年には日本式のスマート工場の基本モデルとして「Industrial Value Chain Reference Architecture (IVRA)」を公開。その後、ブラッシュアップを行いモノづくりの実現戦略として「IVRA-Next」を発表している。
さらに、これらを実現するための仕組みやツールとして、企業間でデータ連携を行う企業間オープン連携フレームワーク「コネクテッドインダストリーズオープンフレームワーク(CIOF)」や、スマート製造を行うための考え方をまとめた「スマートシンキング」やそのための「16チャート」などの整備を進めてきた。IVI 理事長の西岡靖之氏は「コンセプトが具体的な形になってきた10年間だった」とここまでの10年間を振り返っている。
こうした実績の下、IVIでは、この先の10年に向けて、これまでに積み重ねてきた仕組みやツールを生かし、モノづくりの新たなグローバル標準を打ち出していく方針だ。「ここでいう標準は、国際標準のようなデジュールのような形ではなく、また同じフォーマットで市場を席巻するデファクトとも異なり、ルール形成のやり方でWin-Winのエコシステムを作る形というような意味だ。日本のモノづくりにはまだまだ強みがある。こうした強みを生かした仕組みを世界のルール作りの中核に入れていくことで、従来とは異なる形でリーダーシップを発揮できるのではないか」と西岡氏は訴える。
その標準の形として訴えるのが「スマートシンキング」「オープンフレームワーク」「デザインアプローチ」を核として、これらを活用した全体思考と個別実装を繰り返すことで高度化を進めていく「IVI Doctrine」だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.