リクルートが「半導体業界の盛り上がりと周辺産業に与える影響」についての調査結果を発表した。2023年度の半導体関連求人は、2017年度比で「九州、沖縄」が6.06倍、「北海道、東北」は5.90倍に増えていた。
リクルートは2024年10月16日、「半導体業界の盛り上がりと周辺産業に与える影響」についての調査結果を発表した。
同調査は、転職エージェント「リクルートエージェント」の求人データを分析したもので、有効回答数は非公開としている。
まず、リクルートエージェントの2023年度「半導体関連エンジニア」求人を地域別に見ると、特に「九州、沖縄」「北海道、東北」の伸びが大きかった。2017年度比で「九州、沖縄」が6.06倍、「北海道、東北」は5.90倍になっている。
次に、同社が運営する不動産情報サイト「SUUMO」における、地域別の家賃相場推移を調べた。「熊本県合志市」「熊本県菊池郡大津町」「北海道江別市」など、半導体工場の建設が進む地域で家賃相場が急上昇していることが分かった。
2019年8月と比較して、2024年7月の家賃が「熊本県合志市」は1.49倍、「熊本県菊池郡大津町」は1.41倍、「北海道江別市」は1.29倍となり、全国の1.04倍を大きく上回っている。
熊本県の合志市と菊池郡大津町は、大規模半導体工場の周辺地域で、これらの地域を中心に半導体関連産業の求人需要が高まっている。一方で、エリア外からの人材確保に多くの企業が苦戦している。その主な理由として、労働環境に加え、新たな土地での生活に対する不安が挙げられる。
また、熊本県内のアルバイトおよびパート求人の動向を「事務系」「フード系」「専門職系」「製造、物流、清掃系」「販売、サービス系」「営業系」の6つのカテゴリーで見ると、2023年度は「事務系」「フード系」が増加。それぞれ2018年度に比べて、2.21倍、2.06倍と倍増している。背景として、半導体企業の誘致による県内の盛り上がりや外国人観光客の増加による観光産業の活況が考えられる。
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