富士経済は、AI技術などの発展に伴って需要が拡大している世界の半導体材料市場を調査し、その結果を発表した。2024年の同市場は、前年比で9%増を見込む。
富士経済は2024年9月27日、次世代通信やAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)技術の発展に伴って需要が拡大している世界の半導体材料市場を調査し、その結果を発表した。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で在宅時間が増加し、通信機器の需要が増えたことにより、2022年の同市場は大幅に拡大した。2023年は、半導体デバイスの余剰在庫の調整により市場は縮小。2024年は半導体デバイスの需要が回復傾向となり、前年比9%増の470億ドル(約6兆9700億円)を見込む。
2025年以降は、AI搭載機器の新製品発売やデータセンター設備投資に伴い、サーバ出荷の増加により需要が伸長し、長期的には市場拡大が予想される。
前工程材料では、半導体の微細化の進展によりフォトマスクやフォトレジストの需要が拡大。また、成膜材料やエッチング材料、洗浄液などの需要が増加すると思われる。2024年の市場は前年比6.9%増の374億ドル(約5兆5500億円)を見込む。
後工程材料では、データセンターの新設により、サーバ向けのパッケージ基板用銅張積層板材料、層間絶縁材料の需要が伸びると予測。2024年の市場は前年比17.1%増の96億ドル(約1兆4200億円)を見込む。
感光性材料のフォトレジストは、半導体デバイスの需要が回復し、2024年は前年比104.8%の22億ドル(約3260億円)を見込む。特にAIの普及による画像処理半導体の需要増加に伴い、EUVレジストやDUVレジストの市場拡大が予想される。
半導体や太陽電池などの成膜に使われるシランガスは、余剰在庫の解消などにより、2024年は前年比並みの9億ドル(約1340億円)を見込む。高性能スマートフォンやAI搭載端末の増加により、ロジック向けでジシランの需要拡大を予測する。
PFCエッチングガスは、2024年は前年比122.2%の11億ドル(約1630億円)を見込む。また、パッケージ基板用銅張積層板材料は、スマートフォンやPCなどの需要やデータセンターの設備投資が回復基調となるため2024年は前年比108.3%の13億ドル(約1930億円)を見込む。今後は、膨大なデータを高速処理するニーズの高まりから、サーバの需要増やFC-BGA基板の面積増が進むため市場拡大を予想する。
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