リクルートは「半導体関連エンジニア」に関する求人や転職についての調査結果を発表した。2024年1〜6月期の半導体関連エンジニア求人が、2013年同期と比較して14.9倍に達していることが分かった。
リクルートは2024年9月18日、「半導体関連エンジニア」に関する求人や転職についての調査結果を発表した。同調査は、同社の転職エージェント「リクルートエージェント」に掲載された求人データを分析したもので、同年7〜8月に実施した。有効回答数は非公開としている。
2024年1〜6月期の半導体関連エンジニア求人は、2013年同期の14.9倍に達した。生成AI(人工知能)向けの半導体ニーズが高まっていること、半導体関連工場の国内回帰が進んでいること、半導体後工程においてカスタマイズや特殊なパッケージングの需要が増加していることなどが要因と考えられる。
領域別の求人推移では、特に「デバイス開発」が伸びており、2017年度比で3.94倍となった。その他、「品質管理、品質保証」が3.46倍、「材料開発」が3.01倍、「製造装置、部品開発」が2.48倍となっている。
「デバイス開発」は、2022年度から2023年度にかけて大きく増加。求人では回路やセンサー、メモリ、パワーといったキーワードが目立っているという。また、「製造装置、部品開発」「材料開発」では、未経験者の転職事例も増加傾向となっている。
2023年度における半導体業界での半導体関連エンジニア求人は、2013年度比で10.7倍となった。一方で、半導体業界以外の電気や電子、機械、化学、自動車業界における半導体関連エンジニア求人は、同16.0倍に達している。自動車業界で半導体の内製化が進んでいること、化学業界で半導体関連エンジニアを採用して知見の獲得を図っていることなどを背景に、異なる業界での求人が増加傾向となった。
続いて、半導体関連エンジニア求人への転職に際して提示された年収を分析した。600万円以上の割合が、2018年度の13.1%から2023年度には19.5%に拡大していた。一方で、400万円未満の割合は42.7%から30.3%に減少している。
なお、昨今同じくニーズが高まっているデータセンター関連求人は、2023年度に2013年度比で3.77倍となった。求人増加の背景として、AIや5G技術の進展、クラウドサービスの普及などが考えられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.