トリマティスは、「CEATEC 2024」に出展し、水中の様子を映像と点群情報で取得できる「水中フュージョンセンサー」を紹介した。養殖モニタリングや船体検査、インフラ点検サービスなどでの活用を目指している。
トリマティスは、「CEATEC 2024」(2024年10月15〜18日、幕張メッセ)に出展し、水中の様子を映像と点群情報で取得できる「水中フュージョンセンサー」を紹介した。
CEATECでは今回、海洋産業の未来や海洋空間利用のポテンシャルを発信するため、特別企画として海洋DX(デジタルトランスフォーメーション)パビリオンを設置し、実演用のプールなどを用意した。トリマティスは、そのプールで水中フュージョンセンサーの実演を行った。
トリマティスの水中フュージョンセンサーは、海中や水中で3Dデータをリアルタイムで取得するセンサーだ。水中の透過率は、近赤外線より可視光の方が高く、その中でも波長の透過率は季節や海域により異なる。また、測定対象物の色により反射光の量も異なる。トリマティスの水中フュージョンセンサーは、赤、緑、青の3色の半導体レーザーを使い、最適な光源を選択しながら高いSN(信号/ノイズ)比で正確に距離を測定できる。さらに、RGBカメラを内蔵し、色付きの3Dデータをリアルタイムで生成できる。
RGBカメラとLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)を同時使用することで、水中の3Dデータをリアルタイムでイメージと点群の両面で効率的に取得できることが特徴だ。RGBカメラは同色のレーザー光をノイズとして認識するが、1フレームの時間内でレーザーによる距離測定とカメラ撮影を高速に切り替える特許技術(出願中)により、ノイズを低減し課題を解決した。「多くの水中用の計測技術は、リアルタイム性がなく、動体の検出などが行えないものが多い。水中フュージョンセンサーはリアルタイム性があるため、養殖の魚の育成状況などの把握なども可能だ」(ブース説明員)。
今後は養殖モニタリングに加え、水中での船体検査や橋梁、港湾などのインフラ点検サービスでの活用を目指しているという。「現在は水中フュージョンセンサーは定置での利用が多いが、今後は水中ドローンに搭載して測定するような使い方も検討している。そのため、小型、軽量化に向けた研究開発に取り組んでいる」(ブース説明員)。
トリマティスは、水中でのデータ活用に関する技術開発を推進するALAN(Aqua Local Area Network:エーラン)コンソーシアムの中心企業であり、これらの活動も併せて評価を受け、水中フュージョンセンサーはCEATEC AWARD コ・クリエイション(共創)部門賞を受賞している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.