　治具は加工物ごとに製作する必要があるため、切削加工を用いて製作することが多い。3D治具プリントサービスでは、表面精度や寸法精度に優れた光造形方式の産業用3Dプリンタを活用する。寸法精度はJIS中級で、金属ほどの強度は要さないが、FDM（熱溶解積層）プリンタ以上の精度が必要な治具の製作に向いている。

製造業向けサービス「3D治具プリント」［クリックで拡大］出所：Bfull

　一体で製作できる治具の大きさは、最大800×800×400mm。同サービス向けに新たに開発したポリウレタン系新素材は、積層ピッチ50～100μmの高精細出力に対応する他、従来のABSライク材料と比べて靭性と耐熱性に優れ、よりハードな環境に適応する。また、可視化治具の製作に対応する透明材料も選べる。

ポリウレタン系新素材［クリックで拡大］出所：Bfull

6種の材料から選択可能［クリックで拡大］出所：Bfull

　受注体制として産業用3Dプリンタを22台設置し、最短で当日出荷できる。また、数千個単位の量産にも対応する。注文前に治具データのサンプルを無料でプリントしてもらえるため、ユーザーは自社の治具に合うかを事前に確認できる。

生産工場イメージ［クリックで拡大］出所：Bfull

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「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには？」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
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3Dプリンティングの未来は明るい、今こそデジタル製造の世界へ踏み出すとき
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響により、サプライチェーンが断絶し、生産調整や工場の稼働停止、一斉休業を余儀なくされた企業も少なくない。こうした中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、あらためて3Dプリンタの価値に注目が集まっている。HP 3Dプリンティング事業アジア・パシフィックの責任者であるアレックス・ルミエール（Alex Lalumiere）氏と、日本HP 3Dプリンティング事業部事業部長の秋山仁氏に話を聞いた。