矢野経済研究所は、エネルギーハーベスティング(環境発電)デバイスの世界市場に関する調査結果を発表した。新しい発電技術の登場や規制の整備、デバイスの性能向上から、2032年の同市場規模を153億個規模と予測している。
矢野経済研究所は2024年8月5日、エネルギーハーベスティング(環境発電)デバイスの世界市場に関する調査結果を発表した。同デバイスの現状と今後の市場展望を分析したもので、詳細は『2024年版 エネルギーハーベスティングデバイス市場の現状と展望』にまとめている。
エネルギーハーベスティングデバイスは、周囲の環境で発生する微小なエネルギーを「収穫(ハーベスティング)」して、電力に変換する装置だ。特にIoT(モノのインターネット)機器の電池交換を不要にする電源として関心が高まっている。同社は2023年における同デバイスの世界市場規模を、メーカー出荷数量ベースで13億742万5000個と推定し、2024年には17億8895万個になると予測している。
他に同デバイスでは、従来の発電方式に加えて新しい発電技術が登場している。2023年には、電磁波ノイズを利用して発電するデバイスや新型の植物発電キットが発売された。これらは、低消費電力のIoT機器に電力を安定して供給できる手段の1つになり得る。
今後の展望として同社は、2032年のエネルギーハーベスティングデバイス世界市場規模を、メーカー出荷数量ベースで153億4240万個と予測。欧州のバッテリー規制や、各国でガイドラインなど環境整備が整ってきていることから、市場の成長が続くと見ている。また、制御や蓄電などデバイスの各構成素子の性能が良くなったことで、ハーベスティング性能も向上し、従来は導入が難しかった領域への採用が進むと見込んでいる。
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