日本のこのような状況は一般的なのでしょうか? フロー面の傾向からみると、ストック面でも日本だけ異なるポイントが出てきそうですね。
そうですね。それではまず部門ごとの金融資産/負債差額を国際比較してみましょう。
金融資産、負債それぞれの残高や、生産資産の比較は次回以降ご紹介します。また、金融資産/負債差額はなじみにくいので、ここではプラスの時は純金融資産、マイナスの時は純金融負債と呼びましょう。
並べてみると分かりやすいですね! 日本(最上段左)は他国と比べてボテっとしたグラフになっています。
そうですね、とても重要なポイントです。つまり、1990年代に高い水準に達した後、緩やかに成長してはいますが、他国ほどではありません。一方で米国やカナダは拡大傾向が強いですね。
全体的に眺めると、家計(青)の純金融資産が増え続けているのは各国共通ですね。しかしマイナス側は特徴が異なるようです。
企業(赤)に関して言えば、やや目減りしているのは日本特有の現象だと分かります。他国を見ると、停滞気味ながら増え続けている国(ドイツ、フランス、英国)、リーマンショックを機に停滞している国(イタリア)、大きく増え続けている国(米国、カナダ、韓国)といった感じですね。
フランスやイタリアは政府が負債を増やし、ドイツは近年では海外が大きく負債を増やしているようです。韓国は政府の純金融資産がプラスというのも興味深いですね。
はい、主要国ではおおむね政府が負債を増やしていますが、韓国は逆ですね。北欧諸国やルクセンブルク、スイスなどでも同じように政府の純金融資産がプラスです。
各国の傾向はよく分かりましたが、ストックの水準としてはどうなのでしょうか?
そうですね。最後に主要国の水準を人口あたりで比較してみましょう。
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