――brightwayを展開する上で苦労したことはありましたか。
上田氏 私が思うに、ファクトリーブランドを世に出すには「作る」「伝える」「売る」という3つのプロセスが必要です。これまで当社は「作る」の部分しか担っていませんでしたが、「伝える」「売る」については、全く別の頭を使うことだと気付きました。特に「伝える」ノウハウが当社には全くなかったので、これを1から実行して社内で知見を増やしていかなければなりませんでしたが、全てが新しく、チャレンジングでした。
ブランドデザインも当社にとっては「新しいこと」の1つでした。これについては、当時当社が参加していた「大阪商品計画」という大阪府連携のプロジェクトで、素晴らしいデザイナーさんと巡り合い、前に進めることができました。「brightwayはこんな世界観で、こんなロゴがよくて」と、自分の中にあるイメージを全部伝えたところ、「brightwayさんはこういうことを表現したいんですよね」と整理して、ポスターやロゴに落とし込んでくださいました。現在もデザイン工程の上流でコンセプト設計などの役割で参加していただいています。
製品を展開する上ではMakuakeの存在も大きかったですね。ファッション業界は、自分たちでブランドを立ち上げ、新商品を作ってから店頭でお客さまに見ていただけるまで最速で1年かかるといわれています。費用面では、展示会への参加費や宣伝費が大体1000万円もかかる。
一方で、Makuakeでは費用0円でお客さまへの直通ルートを作ってくれました。資金と時間もない中で、brightwayがこうして日の目を見ることができたのは、Makuakeのようなサービスがあったからこそだと思います。
――今後の展望についてお聞かせください。
上田氏 現在、brightwayはオンラインサイト、セレクトショップ、常設店舗という3つの販路で展開しているのですが、これに加えて、海外展開を進めていきたいです。実はもう台湾での販売はスタートしているのですが、ゆくゆくは中国市場を視野に入れたいと考えています。加えて、織物用の素材やデニムで靴を作るなど、47都道府県全部の素晴らしいモノづくりとコラボレーションもしていきたいとも考えています。
brightwayを白いキャンバスに見立てて、ここにいろいろなものを乗せていくことによって、当社と各地、それぞれのモノづくりをいろんな人に知っていただけるようにしたいです。最後に長期的な展望として、工場の1階にファクトリーショップのような旗艦店を作り、当社のモノ作りを体験してから商品を購入いただける場所を作りたいと考えています。
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長島清香(ながしま さやか)
編集者として地域情報誌やIT系Webメディアを手掛けたのち、シンガポールにてビジネス系情報誌の編集者として経験を重ねる。現在はフリーライターとして、モノづくり系情報サイトをはじめ、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。
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