ビジネスを進める上で、日本経済の立ち位置を知ることはとても大切です。本連載では「スキマ時間に読める経済データ」をテーマに、役立つ情報を皆さんと共有していきます。今回は産業別にパートタイム労働者数を比較したデータを見ていきます。
今回は、働き方による労働者数の変化についてご紹介します。参照するのは、毎月勤労統計調査です。
近年の日本では働き方が多様化し、パートタイム労働者が増えています。女性や高齢のパートタイマーが増えている影響もありますが、男性の現役世代でも同様に増えていることを示す統計データもあるようです。
毎月勤労統計調査では、一般労働者とパートタイム労働者という働き方(就業形態)の違いごとに、産業別の労働者数や賃金、労働時間などが集計されています。
今回は、産業別の労働者数を見ながら、日本で起こっている働き方の変化について理解を深めていきましょう。なお、常用労働者と一般労働者、パートタイム労働者は次のように定義されています。
常用労働者 | 常用労働者とは、 (1)期間を定めずに雇われている者 (2)1カ月以上の期間を定めて雇われている者 のいずれかに該当する者をいう。 |
---|---|
一般労働者 | 常用労働者のうち、次のパートタイム労働者以外の者をいう。 |
パートタイム労働者 | 常用労働者のうち、 (1)1日の所定労働時間が一般の労働者よりも短い者 (2)1日の所定労働時間が一般の労働者と同じで1週の所定労働日数が一般の労働者よりも少ない者 のいずれかに該当する者をいう。 |
※厚生労働省「毎月勤労統計調査について」に記載の用語定義より引用 |
まずは、産業別の労働者数の変化から見ていきましょう。以前、OECD(経済協力開発機構)のデータを基に産業別の労働者数の変化をご紹介しましたが、毎月勤労統計調査ではもう少し細かく分けて集計しているようです。
こちらも以前ご紹介しましたが、日本は既に人口が減少しているものの、毎月勤労統計調査で観測される労働者数は増加が続いています。1993年にちょうど4000万人だった労働者数は、2023年には5200万人を超えました。30年間で1200万人の増加です。
現役の男性労働者が減少傾向にある一方で、それ以上に女性や高齢の労働者が増加したということが考えられます。さらに、個人事業主や農林水産業の労働者、従業員数4人未満の零細事業者における労働者などが調査対象に含まれており、これまで毎月勤労統計調査の調査対象外となっていた労働者が減ったことも要因として考えられそうです。
今回のデータは、そのような前提の中での変化だとご承知おきください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.