本連載では、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。第18回では香炉を植物の鉢に見立てた商品「わびさびポット」などを展開するハシモト清の橋本卓尚氏に話を聞きました。
本連載はパブリカが運営するWebメディア「ものづくり新聞」に掲載された記事を、一部編集した上で転載するものです。
ものづくり新聞は全国の中小製造業で働く人に注目し、その魅力を発信する記事を制作しています。本連載では、中小製造業の“いま”を紹介していきます。
小雨が降る蒸し暑い2024年7月下旬。ものづくり新聞編集部が向かったのは、東京都渋谷区にある、こちらの個性的な建物。
和歌山県のホテル川久などで知られている、建築家の永田祐三(ながた ゆうぞう)さんが手掛けた旧三基商事 東京本部第1ビルです。モチーフになっているのは、メキシコにあるマヤ文明の古代遺跡、ウシュマル。
角を曲がってこの建物が目に入ったとき、ここは本当に日本なのだろうか? と錯覚するほど、異国感と不思議な存在感を放っていました。
かつてこの建物は、「ミキプルーン」でおなじみの三基商事の東京支社として使われていました(2022年8月に移転)。取材時には、アトリエや展示スペースなどとして活用されていたようです。
この建物の7階、「P/OP SHIBUYA(ポップ シブヤ)」で開催されていたのが、ハシモト清が主催する企画展「不易と流行」です。
「不易と流行」は次のようなコンセプトで構成された企画展です。
“新しいのに、懐かしい。仏具を通して心地のいい暮らしの所作を探求する”#SilenceLAB(サイレンスラボ)が、各業界で「心地のいい暮らしの所作を探求する」ブランドと共同で開催する、作品の展示/販売とトークセッション(公開ラジオ収録)を兼ねた企画展です。(PR TIMESから引用)
ハシモト清は、富山県高岡市にある、1945年創業の仏具問屋。そしてこの企画展の生みの親が、ハシモト清 3代目社長の橋本卓尚(はしもと たかひさ)さんです。
問屋として、作り手の思いを買い手や売り手に伝達し、届けています。原型制作から鋳造、塗装、彫金などの生産工程から、伝統着色や、彫金、螺鈿、蒔絵などの加工まで幅広く関わり、サイズや用途がさまざまな仏具を手掛けます。
最近では、現代の暮らしに寄り添う、コンパクトでモダンなデザインの現代仏具やミニ骨壷も生み出しています。それだけではなく、縮小傾向にある仏具業界に突破口を開くべく、2020年から仏具をもっと多くの方に知ってもらう活動にも力を入れています。
企画展にお邪魔した数日後、あらためて機会をいただき、今回の企画展にかける思いや、実現までの道のりなどを伺いました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.