NECファシリティーズは、千葉県我孫子市の我孫子事業場内に、施設管理人材の研修/研究開発センター「FM-Base(エフエムベース)」を開設し、2024年5月から運用を開始した。
NECファシリティーズは2024年5月21日、千葉県我孫子市の我孫子事業場で記者会見を開き、同事業場内に研修/研究開発センター「FM-Base(エフエムベース)」を開設したと発表した【訂正あり】。
【訂正】初出時に、安孫子事業場と誤った名称を掲載していましたが、正しくは我孫子事業場です。お詫びして訂正致します。
同社は、工場、クリーンルーム、データセンターといった施設の企画/導入から運用管理を行う施設管理事業を展開している。半導体、電子部品、医薬品などの製造工場向けに全国で169の施設管理受託拠点(2024年4月時点)を有し、要員数は1600人に及ぶ。こうした施設のインフラ設備管理を行う人材は需要拡大が見込まれている。そこで、熟練技術者のノウハウの伝承やデジタルトランスフォーメーション(DX)の効率化を目指し、FM-Baseを開設した。
FM-Baseは「育成」と「R&D」の役割を持つ。育成では、実際の工場に設置されている設備と同じ実機を用いて利用者が設備管理を体験できるようにすることで実践的に学べるようにしている。これにより、学んだことを現場で実装、展開、運用しやすくしている。
R&Dでは、これまで同社が設備管理で蓄積してきた情報やノウハウなどを活用し、データ収集の自動化やエネルギー利用効率の可視化を行う。これらを利用して、予知保全や遠隔業務の支援、設備運転の最適化、設備ヘルスケア管理、従業員のバイタルセンシングの実現につなげる。加えて、将来的には、収集したデータを用いてデジタルツインを構築する他、ファシリティーマネジメントとカスタマーマネジメントの連携、アセットマネジメントの効率化を図る。
同社 代表取締役社長の橋谷直樹氏は「当社が想定しているデジタルツインは、管理対象の設備をデジタル空間上で再現し、その設備にどれくらいの電力を供給すれば最適な運用が行えるかを判断できるものだ。これにより、電気の過剰供給による設備劣化の促進を防ぎ、寿命を延ばしたいと考えている。これまではベテラン社員のカンやコツに依存して設備へのエネルギー供給を行っていた」と話す。
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