ガートナージャパンは、日本と外国企業のAIに対する組織的な取り組みに関する調査結果を発表した。特に日本の大企業で、AI開発に必要な人材とスキルが慢性的に不足していると感じていることが分かった。
ガートナージャパンは2024年5月9日、日本と外国企業のAI(人工知能)に対する組織的な取り組みに関する調査結果を発表した。海外企業では76%がAI専門部門やチームを設置している一方、日本企業が同組織を設置している割合は38%で、両者の間に大きな開きがあることが分かった。
同調査は、国内の大企業と中堅企業、アメリカ、ドイツ、イギリスの海外企業を対象に実施した。
AI開発に必要な人材とスキルの確保状況について、「十分に確保できている」と回答した割合は、海外企業で22%、日本は中堅企業で10%、大企業で7%だった。「慢性的または時として不足している」とした割合は、海外企業26%に対して、日本の中堅企業が34%、大企業が64%となり、国内大企業で特に不足感があることが分かった。
また、AI技術を導入する際の障壁に関して、日本の大企業では「人材の不足」「データの収集や品質の問題」「技術的なスキルの不足」の3つが突出している。これに対して、中堅企業では、「人材の不足」「AIのユースケースが見つからない」「事業部門を巻き込めていない」「プロジェクトの計画の問題」が上位を占める結果となった。
海外企業は、日本企業ほど特徴的な傾向は見られなかったが、「AIモデルに対する信頼の不足」「AIの倫理、公平性、偏見に対する懸念」「AI技術の導入時の問題」が多くなった。
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