スズキは米国のスタートアップ企業Glydwaysに出資した。
スズキは2024年5月15日、米国のスタートアップ企業Glydways(グライドウェイズ)に出資したと発表した。
Glydwaysは小型の電動車を専用レーンで隊列走行させる個人用高速輸送システム(Personal Rapid Transit、PRT)を開発する企業だ。インフラ整備や運用コストに加えて車両の台数を抑えながら、必要なときに必要な台数だけを配車できる効率的で利便性の高い交通システムの実現を目指している。スズキとGlydwaysは車両の製造についても協議中で、2024年後半にも最終決定する。
Glydwaysに対しては、ENEOSホールディングスや三井化学も今回出資した。日本企業から新たなパートナーが加わることを生かして、Glydwaysは日本とアジア太平洋地域に対するコミットメントを強化するとしている。今後、数カ月以内に日本にオフィスも構える。
Glydwaysは米国カリフォルニア州で幾つかのプロジェクトへの参加が決まっている。1つは同州サンノゼにあるノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港と、ダウンタウンのディリドン駅を結ぶ新路線の計画だ。同空港とディリドン駅は交通機関で30〜40分かかっているが、Glydwaysのシステムによって10分以内で移動できるようになるという。中間地点に駅を設けることで、公共交通が行き届いていない地域にも移動を提供する。複数フェーズでの評価や設計、検討を経て最終決定される。
もう1つの受注済みのプロジェクトは、カリフォルニア州東部にある東コントラコスタ郡の4つの都市を結ぶ48マイル(約77km)の路線だ。同郡にあるアンティオーク、オークリー、ブレントウッド、ピッツバーグに住み、サンフランシスコやオークランド、シリコンバレーの職場に通う人々は、通勤に長時間を要する。
公共交通はピッツバーグとアンティオークに拡張されるが、オークリーとブレントウッドは公共交通でカバーされない。また、ピッツバーグやアンティオークでは駅に向かうための自動車での移動で渋滞が避けられない。プロジェクトでは、既存の公共交通機関を補完するGlydwaysのシステムにより、快適な公共交通での移動を実現するとしている。
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