RICOSは、総合建材メーカーのダイクレが自律的に最適形状を探索するツール「RICOS Generative CAE」を導入したことを発表した。ダイクレの製品ラインアップの一つであるアンカーパネルの設計工程で活用する。
RICOSは2024年4月18日、総合建材メーカーのダイクレが自律的に最適形状を探索するツール「RICOS Generative CAE」を同年4月から導入したことを発表した。ダイクレは、製品ラインアップの一つであるアンカーパネル(グラウンドアンカー受圧板)の設計工程でRICOS Generative CAEを活用する。
ダイクレのアンカーパネルは、FRP(繊維強化プラスチック)製格子状パネルに鋼製フレームを組み合わせた複合受圧板で、切土法面の補強工法の一種であるグラウンドアンカー工法に使用される。アンカーパネルの開口率は約70%と高く、通水性や緑化に優れ、多くの現場で採用されている。
一方で、アンカーパネルは使用される現場の条件に応じ、要求されるサイズや耐荷重が異なる。ダイクレ社内では規格化されていないアンカーパネルを「特殊品」と呼び、担当の設計者が約1週間かけて設計および図面の作成を手掛けてきた。
ダイクレは、設計者の作業負荷の削減と業務効率化を目的に、設計条件を入力するだけで自動で形状が生成され、性能を満たす最適な構造を2〜3日で出力できるRICOS Generative CAEを導入。これにより、特殊品の設計工程と一部の作図作業が自動化され、最適な構造案の提示や迅速な見積もり対応が可能となった。
さらに、ダイクレはRICOS Generative CAEの活用を進め、より高速かつ柔軟にアンカーパネルを提供できる社内システムの構築を目指すという。
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