トヨタ自動車は、京浜急行電鉄と共同開発契約を締結している品川駅西口地区に「新東京本社」を開業すると発表した。2029年度内に、現在水道橋にある東京本社を移転する形での開業となる。
トヨタ自動車は2024年3月22日、京浜急行電鉄(京急電鉄)と共同開発契約を締結している品川駅西口地区に「新東京本社」を開業すると発表した。2029年度内に、現在水道橋にある東京本社を移転する形での開業となる。
新東京本社が開業するのは、品川駅高輪口が最寄りとなる、東京都港区高輪3丁目内にある敷地内だ。2021年3月末に閉館した複合商業施設「シナガワグース」の跡地で、現在は「品川駅西口地区A地区」と呼称されており、2020年4月に京急電鉄がトヨタ自動車を共同事業者として迎え入れることを発表していた。
新東京本社が入居する建物は地下4階/地上29階建てで、建物高さは約160m。敷地面積は2万3600m2、延べ床面積は31万3100m2。低階層には商業施設と、会議場や多目的ホールなどから成るMICE施設が入り、中階層は新東京本社が入るオフィススペースが占め、屋上を含めた高階層はホテルとなる。同建物と品川駅高輪口との間には国道15号があるが、2階レベルでデッキを通し駅直結とする計画だ。着工は2025年度を予定している。
今回の発表に合わせて京急電鉄は、トヨタ自動車との間で、品川駅西口地区A地区の土地持分の一部譲渡および品川駅西口地区のまちづくり推進のために共同で計画建物を建設/運営することに関する契約を新たに締結している。品川駅西口地区は、今後リニア新幹線の開通などにより都市機能の向上が期待されており、両社のいっそう強固なパートナーシップの下で開発計画を推進していく構えだ。
新東京本社は、現在の東京本社の機能を移転するだけでなく、トヨタ自動車がモビリティカンパニーへのモデルチェンジを目指す中で、新たな領域を中心とした取り組みをリードする重要な拠点の一つとして、ソフトウェア開発機能の配置や、実証に必要な設備の導入を含め、多様な仲間が集う協創の場を目指す。
最新のオフィス設備に加え、オフィス内へのモビリティ実機の持ち込みを可能にするなど、新東京本社に集う多様な人材がクリエイティビティーを発揮できる環境づくりも目指すとしている。
なお、現在の東京本社が入居するトヨタ東京ビル(東京都文京区)は、2023年2月にトヨタ不動産と三井不動産に売却しており、リースバック方式で使用している状況にある。新東京本社の開業時には、東京本社の機能を全てトヨタ東京ビルから移転することになる。
また、トヨタ自動車は、人工知能研究を行う大手町オフィスや、ソフトウェアを中心とした新規技術/事業開発を担う子会社のウーブン・バイ・トヨタをはじめ東京都内に幾つかの拠点がある。これらの拠点を新東京本社に統合するかについては、現時点では未定だとしている。
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