自動旋盤のコア部品の工場刷新で需要拡大に対応、本体の組立工場も新設:工場ニュース
スター精密は、スイス型CNC自動旋盤のコア部品を生産する菊川工場のリニューアルと新工場の建設を決定した。高付加価値製品と最先端モデルの組み立てが可能な新工場を建設し、月産100台の体制を確立する。
スター精密は2024年2月9日、スイス型CNC自動旋盤のコア部品を生産する静岡県菊川市の菊川工場のリニューアル(仮称:菊川南工場)と、本体を組み立てる新工場(仮称:牧之原工場)を静岡県牧之原市に建設することを決定した。総事業費は、菊川南工場に約100億円、牧之原工場の建設に約50億円を投資する。
今回の決定は、スイス型CNC自動旋盤の世界的な需要拡大に対応するため、生産能力の増強などを目的とする。高付加価値製品と最先端モデルの組み立てが可能な新工場を建設し、月産100台の体制を確立する。
菊川南工場は2024年7月に着工、2025年11月に稼働開始予定で、延床面積は約1万3700m2、建築面積は1万3000m2となる。牧之原工場は2025年5月に着工、2026年7月に稼働を開始する予定で、延床面積は約9100m2、建築面積は6900m2となる。
菊川南工場の完成イメージ 出所:スター精密
牧之原工場の完成イメージ 出所:スター精密
生産設備にロボットを導入するなど、自動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。スマートファクトリー化による業務と生産効率の追求に加え、品質の向上やコストの削減を図る。
菊川工場の工場棟は建築後35年以上を経過しており、リニューアルにより地震などの災害へ対応するBCP対策や、地政学的なリスクへの対応力を強化する。さらに、太陽光パネルなどの設置や、環境に配慮した設計、設備の導入を進めるといった取り組みにより、ZEB(ネットゼロエネルギービル)認証の取得を目指す。
⇒その他の「工場ニュース」の記事はこちら
- スイス型自動旋盤の大径部品加工用シリーズ最新モデル、2タイプを用意
スター精密は、2021年8月にスイス型自動旋盤「SR」シリーズの「SR-32J III」を発売する。背面加工用に6軸型ユニット搭載の直線制御軸5軸「type A」、Y2軸制御付き8軸型ユニット搭載の直線制御軸6軸「type B」を用意する。
- 多様な加工ニーズに対応、門型刃物台を採用したスイス型自動旋盤
スター精密は、多様な部品加工ニーズに対応するスイス型自動旋盤の新機種「SP-20」を発表した。正面加工用刃物台に刃具装着本数に優れた門型刃物台を採用し、加工部品の形状に応じて多彩な工具ユニットの装着ができる。
- スイス型自動旋盤の大径部品加工用シリーズ最新モデル、2タイプを用意
スター精密は、2021年8月にスイス型自動旋盤「SR」シリーズの「SR-32J III」を発売する。背面加工用に6軸型ユニット搭載の直線制御軸5軸「type A」、Y2軸制御付き8軸型ユニット搭載の直線制御軸6軸「type B」を用意する。
- 進む製造機械の「知能化」、学習済みAIを搭載する動きが拡大へ
AI(人工知能)の活用が広がりを見せている。こうした中で、新たな動きとして定着が進んでいるのが、工作機械や射出成形機など、製造機械へのAI機能の組み込みである。2022年はこうした動きがさらに加速し、AIの学習までを機械メーカーが担って出荷する動きが進む見込みだ。
- 進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。
- 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.