初めての市販車発売の翌年にF1初参戦、60年前に思いをはせる自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

週末です。1週間お疲れさまでした。今週末は個人的に特別です。なぜならF1のシーズンスタートだったからです。

» 2024年03月03日 09時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 週末です。1週間お疲れさまでした。今週末は個人的に特別です。なぜならF1(フォーミュラ・ワン)のシーズンスタートだったからです。今回のバーレーングランプリでは全てのドライバーが完走したのですが、開幕戦での全員完走はF1史上初の出来事だったそうです。

 2023年、私は9月のF1日本グランプリに合わせて鈴鹿サーキットに行く機会があり、1日過ごす中でいろいろと刺激を受けて10月のカタールグランプリからテレビで観戦するようになりました。あるドライバーがカッコいいという理由で特定のチームに興味を持ち、いろいろと情報を集めて勉強しながらレースのある週末を楽しみに過ごしていました。

 最初は特定のドライバーだけが目当てでしたが、ネットフリックスのF1ドキュメンタリーを見たり、F1を取材する方々のちょっとしたエピソードに触れたりするうちにいろいろなドライバーに興味がわき、どのドライバーにも頑張ってほしい“箱推し”状態になりました。

 2023年最後のレースであるアブダビグランプリが11月末、そこから3カ月たって2024年最初のレースが始まっているわけです。当初は3カ月の間に興味がなくなっちゃうかなと思っていましたが、そんなことはありませんでした! F1本体や各チーム、ドライバーたちのSNS公式アカウントが情報発信を絶やさなかったのが、興味を保つ大きな要因になりました。

 また、一番応援しているドライバーが2024年でチームを離れることが発表され、彼が2025年からどうするのか、現在のチームで有終の美を飾れるのか、そんなことも気になって目が離せません。まだまだ不勉強なにわかファンですが、2024年もF1を楽しみたいと思います。

60周年から再参戦へ

 2024年はホンダにとって特別な1年なのだそうです。ホンダ初のF1マシン「RA271」がドイツグランプリ(ニュルブルクリンク)でF1初参戦したのが1964年8月2日で、2024年に60周年を迎えるからです。ホンダが初めて市販車(四輪車)を発売したのが1963年ですから、市販車を完成させた直後にF1に参戦するのは今考えてもとんでもないことですね。

ホンダF1参戦60周年の記念ロゴ[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 初戦となったドイツグランプリでは公式予選で1周も走れなかったにもかかわらず、本番はクラッシュしてリタイヤしてしまう残り3周まで走りました。その翌年、1965年のメキシコグランプリでホンダはF1初優勝を飾っています。2025年も「初優勝から60周年」で引き続きお祝いできますね。60周年を記念し、海外のイベントでF1初優勝をもたらした「RA272」を走行させる企画が進行中なのだそうです。

 また、4月開催のF1日本グランプリに合わせて、東京都内でもホンダによるさまざまなイベントが予定されています。F1初心者や、鈴鹿サーキットに行けない人にもF1に触れてもらう機会を提供するとしています。2025〜2029年も鈴鹿サーキットで日本グランプリが開催されることが決まっているので、チケット争奪戦やチケット購入のための予算確保などがハードルではありますが、サーキットにまた行ってみたいです(不勉強でぼんやりしていたので2024年のチケット争奪戦は不戦敗です)。

 ホンダがチームパートナーとしてパワーユニットの技術支援を行うOracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング)も、チーム創立20周年です。2023年はオラクル・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン選手が大活躍。そのため、表彰式では必ずオーストリア国歌(=チームの本拠地)とオランダ国歌(=フェルスタッペン選手の国籍)が流れるのですっかり覚えてしまいました。常勝チームが好きな人と、なんとなく嫌ってしまう人はどちらが多いのでしょうか? 常勝のフェルスタッペン選手やオラクル・レッドブル・レーシングの2024年の活躍も気になるところです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.