豊田自動織機の産業機械用エンジン3機種が型式指定取り消し品質不正問題

国土交通省は型式指定申請で不正行為を行った豊田自動織機に対し、型式指定の取り消し手続きを開始したと発表した。

» 2024年02月26日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 国土交通省は2024年2月22日、型式指定申請で不正行為を行った豊田自動織機に対し、型式指定の取り消し手続きを開始したと発表した。再発防止に向けた是正命令も発出し、1カ月以内に再発防止策を報告するよう豊田自動織機に求めた。

 国土交通省は2024年1月30日〜2月13日、豊田自動織機と、同社から自動車用エンジンの供給を受けているトヨタ自動車と日野自動車に対して立ち入り検査を実施した。豊田自動織機の報告通り、産業機械用エンジンの現行機種全て(5機種)と自動車用エンジンの現行機種3機種での不正行為の事実を確認したという。立ち入り検査の結果、新たな不正行為は発見されておらず、トヨタ自動車や日野自動車による不正行為への関与は認められなかったとしている。

 試験用エンジン制御ソフトウェアに不正な書き換えを行い、申請とは異なる制御方式で試験を実施したことが特に悪質な不正行為であると認められた産業機械用エンジンの現行3機種(フォークリフト等用エンジン2機種、建設機械用エンジン1機種)は型式指定を取り消す。建設機械用エンジンは保安基準不適合も確認された。なお、残りの産業機械用エンジンの現行2機種は既に2023年4月26日に型式指定を取り消し済みだ。

 基準に適合していると報告のあった産業機械用エンジンの現行2機種と自動車用エンジンの現行3機種については、国が基準適合性などの確認を行い、その結果を順次公表するとしている。

 国土交通省は他の自動車メーカーなどに対しても型式指定申請における不正行為の有無を調査して2024年4月末までに報告するよう求めている。さらに、ダイハツ工業や豊田自動織機の再発防止策などを踏まえて有識者などから成る検討会を設置し、近年の不正事案に対応するための型式指定の要件強化などについて検討する。

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