ルーバーは光と音を遮る格子戸のようなものです。図8にルーバーを示します。ルーバーは壁ではないため、風通しが良い必要があります。
ルーバーの遮音性能を予測しました。図9にルーバーの音響解析モデルを示します。
式16に等価損失TLの測定に使用する計算式を示します(参考文献[2])。
等価吸音面積は次式で定義されます。
図8の受音側壁面の吸音率を調整することで式16第3項を0にできるため、そのような境界条件としました。図10にシミュレーション結果を示します。このようにシミュレーションによってルーバーの等価損失が予測できます。
ルーバーには、遮音性能と風通しの両方が求められますが、ルーバーの隙間を小さくしたり、空気の流れを迂回(うかい)させたりすると遮音性能は向上しますが、風通しが悪くなります。遮音性能と風通しは二律背反の関係にあります。流れのシミュレーションを行いました。図11に解析モデルを示します。
図12にシミュレーション結果を示します。図12左図が圧力分布、図12右図が速度ベクトルと流線です。圧力分布において上流の圧力が高いほど、流れの抵抗が大きいことになります。つまり、風通しが悪いことになります。流体解析によって風通しの度合いを調べ、音響解析によって遮音性能を予測し、設計の折り合いをつけることになります。これを「設計最適化問題」と表現する方もいます。
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