三菱重工業とNTTは、特許専用AI翻訳の業務活用に関する共同実験を実施し、外国特許出願時に必要な工数を大幅に削減できる可能性があることを確認した。
三菱重工業(三菱重工)と日本電信電話(NTT)は2023年10月17日、特許専用AI(人工知能)翻訳の業務活用に関する共同実験を実施したと発表した。実験の結果、外国特許出願時に必要な工数を大幅に削減できる可能性があることを確認した。
両社は2023年2月、AIによる特許翻訳実現に向けた共同プロジェクトを開始した。今回の実証実験では、三菱重工の特許明細書を対象に、NTT研究所の研究開発成果を活用したAI自動翻訳エンジンによる翻訳結果の評価を実施。外国特許出願時に翻訳業務へ活用できるかを検証した。
今回構築した特許専用翻訳と、汎用翻訳、既存の特許専用翻訳の3種類のAI自動翻訳結果について、両社の知財部門社員が翻訳品質を評価した結果、平均順位は、それぞれ1.5位、2.0位、1.9位となり、今回の翻訳エンジンが最も高い順位だった。
また、プロの翻訳家による翻訳との類似性を100点満点で自動評価したところ、汎用翻訳が38.6点、既存の特許専門翻訳が44.0点だったのに対し、今回の特許翻訳は57.5点だった。今回の翻訳エンジンが、外国特許出願時の翻訳にかかる工数を大幅に削減できる可能性を示している。
実験成果を活用した特許専用のAI自動翻訳は、NTTのグループ会社であるみらい翻訳がサービス提供を予定している。
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