地域医療/介護連携ネットワークの共通基盤化が進み、主要プラットフォーム事業者のクラウドセンターが集中するシンガポール。今や、次世代健康/ウェルビーイング領域のイノベーションのためのテクノロジーサンドボックスに変貌している。
地域医療/介護連携ネットワークの共通基盤化が進み、主要プラットフォーム事業者のクラウドセンターが集中するシンガポールは、次世代健康/ウェルビーイング領域のイノベーションのためのテクノロジーサンドボックスに変貌している。
シンガポール保健省(MOH)は、2012年3月、シンガポール市民向け医療サービスのアクセス(Access)、負担可能性(Affordability)、品質(Quality)を向上させることを目的として、「2020年シンガポール・ヘルスケア・マスタープラン」を公表した(図1参照、関連情報、PDF)。
保健省は、高齢化社会が進展する中、医療/介護施設へのアクセスを高めるためには患者の受け入れ許容数を増やす必要があるとして、2020年までに大規模な医療/介護施設の拡大と増強を計画した。計画当初は、全国を6地区のクラスターに分けて統合を進めていたが、その後の計画変更により、以下の通り、中央部、東部、西部の3地区のクラスターに再編され(関連情報)、各地区において、総合病院、コミュニティー病院、ポリクリニック、大学がクラスターを形成することとなった(関連情報、PDF)。
これらのように3つのクラスターに再編することで、1つのクラスターの中に総合病院から診療所まで、個々の患者が必要とする治療ニーズに全て対応できるようにするのが狙いであった。さらに、再編によって、より高齢者の長期的な治療ニーズに対応できるよう公立と民間の診療所などのプライマリーケアとの連携も強化していった。
その後、保健省は、2017年11月8日、「2020年シンガポール・ヘルスケア・マスタープラン」に準拠した「ヘルスケア産業トランスフォーメーションマップ(ITM)」を発表した(関連情報、PDF)。これは、未来経済委員会が個別産業ごとの労働生産性向上と人材育成を促すために策定した経済戦略であり、ヘルスケア産業は以下の3つの目標を掲げた。
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