積水化学工業は、大阪本社のある堂島関電ビルに「フィルム型ペロブスカイト太陽電池付き建材パネル」を設置した。太陽電池を実装したパネル48枚を、地上12階部分の南側壁面に設置した。
積水化学工業は2023年10月5日、大阪本社のある堂島関電ビルに「フィルム型ペロブスカイト太陽電池付き建材パネル」を設置したと発表した。太陽電池を実装した約1m2のパネル48枚を、地上12階部分の南側壁面に設置した。
同社が開発するフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を用いた次世代の太陽電池だ。軽量かつ柔軟で、ビルの壁面など垂直面や耐荷重の低い屋根、車体などの曲面といったさまざまな場所に設置できる。
建物外壁への設置にあたり、同社は積水樹脂と共同で、地上12階の風荷重に20年相当耐え、安定した発電性能を維持できる設置方法を検討。同社のフィルム型ペロブスカイト太陽電池技術と接着剤技術を、積水樹脂の軽量不燃パネル「プラメタル材」と掛け合わせ、ボルトなどで容易に固定できる建材パネルの開発に成功した。
両社が入居する堂島関電ビルは、大規模リニューアル工事が進行中で、2025年4月の完工を予定している。今後、ペロブスカイト太陽電池による発電量や経年変化などのデータを検証し、長期的な品質評価や既存建物外壁への設置、施工方法の検討に活用する。
また、2025年の事業化を目指し、1m幅でのペロブスカイト太陽電池製造プロセスの確立、耐久性および発電効率の向上を図るとしている。
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