日産は複数のEVコンセプトを出展、第1弾は「ハイパーアーバン」：ジャパンモビリティショー2023

日産自動車は「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」の出展概要を発表した。

[齊藤由希，MONOist]

　日産自動車は2023年10月3日、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023（ジャパンモビリティショー、旧東京モーターショー）」（プレスデー：10月25日〜26日、一般公開日：10月28日〜11月5日、東京ビッグサイト）の出展概要を発表した。複数のEV（電気自動車）コンセプトカーの他、同社の創立90周年を記念した市販モデルの特別仕様車を展示する。電動4WD「e-4ORCE」を体感できるドライビングシミュレーターや、フォーミュラEの加速を感じながら写真を撮影できるコーナーなども設ける。

　出展するEVのコンセプトカーの第1弾として「ニッサン ハイパーアーバン」を発表した。あと3台のEVコンセプトカーを順次公開する予定だ。

ニッサン ハイパーアーバン［クリックで拡大］ 出所：日産自動車

　ニッサン ハイパーアーバンはクロスオーバーEVで、ソフトウェアを常に最新の状態にアップデートし、必要に応じてハードウェアを一新していくことでさまざまな趣向に応えながら長く愛着を持って乗り続けてもらうことを目指した。インテリア全体の雰囲気を変えるための方法として、最新のグラフィカルユーザーインタフェース（GUI）へのアップデートや、好みに合わせたインストゥルメントパネルの交換などを提案する。

　また、ニッサン ハイパーアーバンはバッテリーの電力を自宅や店舗など建物に給電するV2X機能を備える。給電はAI（人工知能）によって自律的にコントロールし、効率的な電力マネジメントを行う。バッテリーの価値を最大化するとしている。

ニッサン ハイパーアーバンのリアクオータービュー（左）。ドアを開けた様子（右）［クリックで拡大］ 出所：日産自動車

　ニッサン ハイパーアーバンのボディーカラーは時間帯や陰影によって表情を変えるライムイエローを基調とした。ヘッドランプからリアコンビネーションランプまでを貫くブラックのラインをあしらい、そのラインと交差するようにリアフェンダーに向かうハイライトを施すことで、存在感を持たせた。高い居住性とスポーティーで空力性能に優れたシルエットを両立した。

　インテリアでは、万華鏡に着想を得て三角形で構成されたインストゥルメントパネルやディスプレイを採用し、ヒューマンマシンインタフェース（HMI）は気分によって演出を変更できる。フロントのシートアレンジを変更することで、ソファに座っているようなプライベート空間にすることも可能だとしている。

　ニッサン ハイパーアーバンは、新設したデザインプレゼンテーションホールでデジタルモデルとして披露した。デザインプレゼンテーションホールは、湾曲した24KのLEDスクリーンやフルカラー天井スクリーン、リモート照明技術、7.1ch音響システムなどを組み合わせることで、クルマを使用する環境の再現やデザインの検討をデジタルで行えるようにした。

　これまでにもVR（仮想現実）を活用するなどデザインプロセスのデジタル化を進めてきたが、デザインプレゼンテーションホールではゲーミングエンジンを使って光の変化や天候などをリアルタイムに高い臨場感と没入感で再現。実物大のデジタルモデルで、デザインやカラーの違いを高精度に比較検討できるという。

新設したデザインプレゼンテーションホール［クリックで拡大］ 出所：日産自動車

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