MONOist 最新のTamagotchi Uniはどのようなコンセプトで企画したのでしょうか。
岡本氏 近年のたまごっちは日本以上に海外での需要も高まっている。Tamagotchi Uniは、世界中のたまごっちユーザーが同じTamagotchi Uniで楽しめるようにデザインや遊びの内容を統一し、世界同一機種を世界同時販売することをコンセプトとした。製品名の「Uni」には、ユニーク(Unique)、ユナイト(Unite)、ユニバーサル(Universal)の意味合いが込められている。
ユニークの観点では、21種類のキャラクターに性格が30種類、趣味が40種類あり、アクセサリーも120種類用意することで、自分だけのユニークなたまごっちを育てられることが挙げられる。また、ミニゲームやアクセサリーを作る「ハンドメイド」などのやり込み機能も充実している。
ユナイトは、これまでも重視してきた友達のたまごっちとの通信で連携する機能だ。一方のユニバーサルでは、Wi-Fi通信機能でつながるクラウド上に構築したたまごっちのメタバース「TAMAVERSE(たまバース)」で、世界中のユーザーのたまごっちと出会えるようになっている。毎月配信するイベントの「たまアリーナ」で競ったり協力したりできるし、世界中のたまごっちからパートナーを探す「たまっちんぐパーティー」などを楽しめる。
MONOist 初代モデルから28年目を迎えるたまごっちですが、組み込み機器として見るとハードウェア、ソフトウェアの側面でどのような進化を遂げているのでしょうか。
坂本氏 1996年11月発売の初代モデルは、画面はモノクロ液晶、インタフェースは現在も継承している3つボタン、音の出力はブザーを使っており、これらの制御にもシンプルなマイコンを用いていた。ソフトウェアの開発もこの当時としては当たり前だったが、OSレスのベアメタル実装だった。
その後、機能拡充に合わせてハードウェアは進化を続けている。かえってきた! たまごっちプラスで赤外線通信機能が入り、たまごっちプラス カラーでカラー液晶を採用した。その後も、TAMAGOTCHI 4UのNFC機能でRFIDのリーダーライターを搭載するなど、ほぼ変わらないサイズの中にさまざまな機能を組み込んでいった。もちろんこれらの機能を実現するためにソフトウェアも進化しているが、たまごっちみーつのころまではOSレスのベアメタル実装であることは変わらなかった。玩具業界は高度なマイコンを使わないこともあって、今でもベアメタル実装は多い。
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