スライドドアにオープンカー、GRMNも対応? 新たな「センチュリー」電動化(2/2 ページ)

» 2023年09月07日 10時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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ドライバーズカーとしての楽しみも

 パワートレインは、排気量3.5l(リットル)のV型6気筒エンジンを使用したシリーズパラレル方式のプラグインハイブリッドシステムを新開発して採用した。WLTCモード燃費は14.2km/lで、モーターのみで走るEV走行距離は69kmとなる。駆動用バッテリーの容量は51Ah。

 PHEVとしたのは、日常の移動はEV(電気自動車)として、長距離の移動やバッテリーの残量が不足したときにはHEV(ハイブリッド車)として使えるようにするためだ。駆動方式は、後輪に高出力なeAxleを搭載した「E-Four Advanced」となる。

 後部座席の快適性を高める「REAR COMFORT」モードを設定した。加速時のピッチングや減速時のノーズダイブを低減する他、駆動力配分によるスムーズな車線変更や、停車時の揺り戻しを抑えるブレーキ制御をアシストする。コックピットは、運転手をサポートする機能や装備を集約して使い勝手を高めた。

 運転手に任せるショーファーカーであることを第一に開発したが、ドライバーズカーとして運転を楽しむことができる走行性能も持たせたという。四輪操舵システム「ダイナミックリアステアリング」を設定し、低速域では取り回しよく、中高速域ではシームレスで自然なハンドリングを実現したという。

 プラットフォームは「GA-K」を採用しており、ボディーでは「ラゲージルームセパレート構造」を新たに開発した。フロント各部の構造を強化するとともに、リアサスペンション取り付け部とDピラーのラゲージルームセパレーター骨格を結合することでボディーのねじり剛性や乗り心地を大幅に高めた。また、ラゲージルームセパレーターの室内側には、遮音機能付きクリア合わせガラスを使用し、荷室と切り離された静粛性の高い空間を実現している。

 室内には、フルリクライニング可能なリフレッシュ機能付きリアシート、生演奏のような心地よいリスニング空間を実現するオーディオ、調光機能付きプライバシーガラスなど快適装備を採用した。身長190cmの乗員がフルリクライニングにしても前席には接触しない広さを確保した。リアドア回りは優れた乗降性を実現するだけでなく、乗員が自然で美しい所作で乗り降りできることにこだわって設計した。

乗降時の所作が美しくなることを意識して設計した[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車
センチュリー新モデルとセダンタイプのボディーサイズ比較
車両諸元 新モデル セダンタイプとの比較 セダンタイプ
全長 5205mm −130mm 5335mm
全幅 1990mm +60mm 1930mm
全高 1805mm +300mm 1505mm
ホイールベース 2950mm −140mm 3090mm
前後席間距離 1220mm +85mm 1135mm
車両重量 2570kg +200kg 2370kg
定員 4人 - 5人
センチュリーの新モデルのパッケージング[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

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