日本精工は直動製品の状態監視システムの実用化に向けた開発を開始した。2023年度よりパイロットユーザーで実機検証を進め、2024年度の市場投入を目指す。
日本精工(以下NSK)は2023年9月4日、直動製品の状態監視システムの実用化に向けた開発を開始したことを発表した。2023年度よりパイロットユーザーで実機検証を進め、2024年度の市場投入を目指す。
NSKでは、Bruel & Kjar Vibro(ブリュエル・ケアー・バイブロ、以下BKV)ブランドで知られる状態監視システム事業を2021年にグループに加え、回転機構の状態監視システム事業を展開してきた。
これまで状態監視は、風力発電機や石油化学工場の大型タービンといった、主に一定の回転速度で連続的に動作する機械設備を対象に実施されてきた。ただ、生産現場では直動機構を含む複雑な加工プロセスで動作する機械設備において、精度の高い状態監視が求められている。
直動機構は、位置や速度、運転パターンが変化するなど、高精度な状態監視の実施には難易度が高い。また、回転機構と直動機構を組み合わせた複雑な加工プロセスを状態監視するためには、設備の運転状態を把握して適切な条件で状態監視を行う必要がある。
NSKはトライボロジー技術を生かし、軸受だけでなくボールねじやリニアガイドなどの 直動製品の開発を通じて、独自の診断技術を培ってきた。この診断技術をBKVの状態監視製品およびサービスに実装する。機械設備と連携しリアルタイムで稼働情報を入手することで、複雑な加工プロセス中でも精度の高い診断の提供を目指す。
回転機構と直動機構が組み合わさり複雑な動きをする設備でも、設備の状態監視が可能となる他、診断に関する専門的な知識がなくても、機械設備の異常の有無を評価できるようになる。そして、状態監視をベースとした予知保全により、機械設備の安定稼働と保全の効率を向上させる。
NSKでは、「EMO Hannover 2023」(2023年9月18〜23日、ハノーバー国際見本市会場)において、これらの技術を参考出展する。
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