パナソニック コネクトは、過酷な環境での長期使用に耐え得る頑丈さを備えた業務端末「TOUGHBOOK(タフブック)シリーズ」の頑丈設計に関する勉強会を開催。カタログでは書き切れない“頑丈性の秘密”について披露した。
パナソニック コネクトは2023年8月3日、過酷な環境での長期使用に耐え得る頑丈さを備えた業務端末「TOUGHBOOK(タフブック)シリーズ」の頑丈設計に関する勉強会を開催した。
同シリーズは製造業や物流、建設、保守、インフラといったさまざまな現場業務をターゲットに、現行モデルとして、ハンドヘルド型の「FZ-N1」、タブレット型の「FZ-G2」、ノートPC型の「CF-33」「FZ-40」などを展開している。
過酷な現場業務での利用を想定した“頑丈設計”を特長とする同シリーズでは、MIL規格準拠試験や独自試験などを組み合わせた性能評価試験を実施しており、優れた耐衝撃性能、耐振動性能、防塵(じん)/防滴性能を実現している。また、1996年に初号機の「CF-25」が発売されて以来、現場の声に耳を傾けながら各種設計や構造、操作性などをブラッシュアップし続けており、「頑丈ノートPCシャアで21年連続グローバルNo.1(注1)を獲得している」(同社)という。
(注1)出所:VDC Quarterly Tracker, 2022Q4, Rugged Clamshell Notebook & 2-in-1 Detachable
今回の勉強会では、カタログでは書き切れない“頑丈性の秘密”をテーマに、「耐落下/耐振動」「耐水/耐温度」「長期使用リスクへの対応」の3つについて、それぞれ技術視点で解説が行われた。
耐落下/耐振動では「コーナー緩衝材」「フローティング構造」「バックフリップタイプコネクター」に関して、耐水/耐温度では「DCジャックスライドカバー」「シーリング設計」「独自の頑丈試験」について、長期使用リスクへの対応では「I/Oポートカバー」「バッテリーの安全設計」を取り上げた。
タフブックシリーズでは、端末が手元や作業台などから落下した場合の故障リスクを低減するために、床や地面と最も当たりやすい端末のコーナー(角)部に緩衝材を設け、強度確保と薄型化を両立させている。
「コーナー部の内部に強度を保持する樹脂パーツがあり、2色成形技術によってその表面にエラストマーを形成している。コーナーから落下すると荷重が1点に集中するため、樹脂で強度を確保しつつ、ゴム弾性で衝撃を吸収することで品質を担保し、落下時の耐性を持たせている」(同社)
過酷な環境下では、落下や振動によってコネクター接続部が外れてしまったり、破損してしまったりすることがある。そのような事態を避けるために、タフブックシリーズでは、コネクターをあえて固定せずに浮かせるフローティング構造を採用している。
「落下時の衝撃によって、着脱式バッテリーやSSDパックなどのモジュールが端末内部でわずかに動いても、コネクター接続部が追従して衝撃を逃がすとともに、接続自体を保持してくれる。また、モジュールを挿入する際の取り付け位置の微妙なズレについても、可動式のフローティング構造がズレを吸収し、接続部の損傷などを防ぐ」(同社)
同じく、落下や振動の耐性を向上させるため、現行のタフブックシリーズではFPC(フレキシブルプリント回路)コネクターを、従来のフロントフリップタイプから変更し、落下や振動に強く、外れにくいバックフリップタイプを採用している。
「フロントフリップタイプコネクターは着脱レバーがFPC側にあるため、曲げなどによりFPCに応力がかかっていると、落下時の衝撃などでレバーが外れてしまうといったトラブルが生じることがある。これに対し、バックフリップタイプコネクターは着脱レバーがFPCの反対側にあるため、落下などでFPCが動いてもレバーが外れることはない。タフブックシリーズでは、市場で実際に起こったトラブルの原因を解析し、設計にフィードバックして改善する取り組みを続けている」(同社)
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